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仁左衛門、被災地で公演「癒やしになれば」

2012年3月9日 22:54
仁左衛門、被災地で公演「癒やしになれば」

 歌舞伎役者の片岡仁左衛門(67)が9日、都内で行われた国立劇場開場45周年記念4月歌舞伎公演「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」(4月3日〜23日)の記者会見に出席した。

 同劇場開場45周年記念公演「歌舞伎を彩る作者たち」シリーズの最後を飾る公演。2011年3月、東日本大震災の影響で公演なかばで中断となった「絵本合法衢」をさらに進化させて上演する。

 「国立劇場の周年記念公演に出させていただくのは、初めてでございます。開場の時は出させていただいたんですけど、次はいつ出させていただけるんだろうと思っておりました。本当に喜んでおります」とあいさつ。「去年残念なことに中断しなければならなかったお芝居を、また再演できて。しかもお客さんからの再演を希望する声が多かったと聞きまして、本当にありがたい」と喜んだ。

 東日本大震災復興支援国立劇場チャリティー歌舞伎公演を、被災地である宮城県名取市及び多賀城市で開催することも発表された。仁左衛門も出演する予定で、同時に息子で歌舞伎役者の片岡孝太郎(44)による歌舞伎のレクチャーデモンストレーションも地元の小、中学生を対象に行われる。

 震災直後からチャリティーイベントに積極的に参加してきた仁左衛門は「この公演が、震災でつらい思いをしている方々にとって、少しでも癒やしになればありがたく思っております」と神妙な面持ち。

 震災後、歌舞伎役者が個人的に被災地を訪れることはあっても、一座で訪れて演目を上演するのは初めて。「歌舞伎の場合、上演するとなると人数が必要になるんですね。役者は少なくてもいろんな裏方さんがいますから。仮に私が漫才や落語の世界に身を置いていましたら即、被災地に行っていましたけど、なかなか歌舞伎となると、かける(=上演する)のは難しいんですね」と胸中を吐露した。

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