歌舞伎俳優の中村勘九郎（３０）、中村七之助（２８）が１７日、東京・浅草寺で三社祭斎行７００年祭奉納舞踊を披露した。

　毎年５月に行われる三社祭のプロローグとなる古式「舟祭」に向けて、勘九郎と七之助が舞踊「清元三社祭」を奉納。

　あいにくの雨模様の中、２人の素踊りをひと目見ようと五重塔前の特設ステージに観客２０００人が集まり、「中村屋！」などと掛け声を送った。

　奉納舞踊を終えると、勘九郎と七之助が再び舞台に姿を見せた。
　勘九郎が「三社様、僕も大好きで。三社様には雨はつきものですから、これは恵みの雨だと思います。この雨の中、ありがとうございました」とあいさつすると、七之助も「三社様は（今年は）５月１８日から、僕の誕生日も５月１８日なんですよ。ここで踊らさせていただいたのは、すごく思い出に残る舞台になりました。ありがとうございました」と一礼し、喜びをかみしめた。

　勘九郎と七之助の父で歌舞伎俳優の中村勘三郎（５６）もスーツ姿で登壇。「みなさん、ありがとうございました」と客席を見渡して頭を下げ、「ありがたいとはこういうこと。平成中村座を浅草に建てさせていただいているときに、この７００年祭があるということ、本当に奇跡のようなことです。勘九郎の襲名もそうですが、本当に毎日毎日ご縁を感じながら舞台をつとめさせていただいております」としみじみ語った。

　最後に親子３人がそろって客席へ向けて一礼すると、ファンから拍手がわき起こった。