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『葬送のフリーレン』や『SPY×FAMILY』 種﨑敦美 会社員から声優へ「気が済むまでやるべき」

2024年1月12日 23:05
『葬送のフリーレン』や『SPY×FAMILY』 種﨑敦美 会社員から声優へ「気が済むまでやるべき」
アニメやマンガが大好きな伊藤遼アナウンサーが種﨑敦美さんを深掘り
『葬送のフリーレン』の主人公・フリーレンや、『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャー、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のダイなどの声で知られる声優の種﨑敦美さん。少年少女やロボットなど、幅広い表現力で様々な役を演じています。

種﨑さんは小さい頃から声優を志していたといいます。そんな彼女が考える夢との向き合い方とは。“アニメ・声優オタク”の私、伊藤遼がお話を聞いてきました。

■種﨑敦美 声優は「本当にやりたいことだからこそ苦しい」

――声優を目指すきっかけは?

小さい頃にセーラームーン、具体的には『セーラー戦士死す!悲壮なる最終戦』っていう話を見て、「物語の中に入りたい、私も。あ、私は声優になるな」ってその時に思いました。なりたいなというか、なるみたいな。


――実際になって声優という職業はどうですか?

本当にやりたいことで、やっていきたいことだからこそ、苦しいです。苦しいことが多いです。ずっとオーディションを受けて、受かって作品と向き合って、いつかこの作品も終わって、次の作品に…。これがずっと続くのかと思うと、すごい人生だなって思います。


――いろんなキャラクターを演じられていますが、どう演じ分けていますか?

そう思ってくださっている方が多いですし、聞かれることも多いんですけど、声の演じ分けみたいなので、キャラクターを捉えたことがないというか、意識したことがないというか…。「私がこのキャラクターを演じるんだったら」みたいな、音とか声とかじゃないというか…。なので、その質問いつも難しいなって思います。


――私だったらこのように演じるというのをそのまま表現している?

そうです。でも、多分どの声優さんもそうじゃないかなと思います。


――種﨑さんが演じているってわからないくらい、表現の幅が広いですよね?

一生わからないままでいてほしいです。作品を見てほしいし、キャラクターとして見ていてほしいので、“種﨑敦美が演じているのか”と思って見てほしくないです。もう、本当クレジット(名前)を出さなくてもいいぐらいです。

週刊少年サンデーで連載中の『葬送のフリーレン』。累計部数1700万部を突破し、マンガ大賞2021で大賞に輝いた人気作品です。そんな『葬送のフリーレン』がアニメ化され、現在放送中です。種﨑さんは主人公のエルフの魔法使い・フリーレンを演じています。


――フリーレンを演じてみていかがですか?

フリーレンはずっと難しいです。なんて難しいキャラクターだろうと、演じるにあたり思います。例えばセリフで言うと、「たった10年の冒険だよ」とか、「そうだね」って言葉がわりとたくさん出てくるんですけど、一個一個がその時々によって同じ「そうだね」でも、全然違う「そうだね」の意味があるというか…。


――同じセリフでもニュアンスが違う?

全部違います。全部違うし、何かちょっとでも違う終わり方になると意味が変わってきてしまいそうで。ちゃんと伝えたいなって思うんですけど、それが針の穴に糸を通すじゃないですけども、難しいんです。

■会社員から転身 本当にやりたいことは“気が済むまでやるべき”

――夢を目指す人々に、アドバイスを送るとしたら?

私も本当、小さい頃に声優になりたいって思っていました。会社員だったこともあったので、なりたいって思ってからなれるまでにすごく時間がかかったんです。なってからもすごく大変です。でも、なりたいって思って突き進んでいたら、今こう(声優に)なれているから、本当にやりたいことだったらいろんなものに惑わされずに信念を大事に突き進んでいったら良いのではないかと思います。その結果、夢が絶対にかなうかどうかはわかりません。わかりませんが、やりたいことがあるなら、気が済むまでやるべきだと思います。

【種﨑敦美プロフィル】
大分県出身。『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャー、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のダイ、『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』ヴィヴィなど、数々の話題作で主要キャラクターを演じる。第十七回声優アワードでは主演声優賞と助演声優賞を同時受賞するという史上初の快挙を成し遂げた。

【お話を聞いて一答遼談!(編集後記)】
どんな役でもぴったりの表現をされる種﨑さん。演じ分けているのではなく、“自分がこのキャラクターを演じるなら”と考えたときに出てきたものを表現しているという説明は、キャラクターと真摯(しんし)に向き合う種﨑さんをまさに表しているなと感じました。

夢見ていた、これからもやっていきたい声優だからこそ「苦しい」という種﨑さんの言葉が強く耳に残っています。夢をかなえたその先に待つ“苦しさ”を誰よりも受け止め、種﨑さんが命を吹き込んだキャラクターたちとまた会えるのが楽しみです。


企画・取材:日本テレビ 伊藤遼