舞台で極悪人…高橋一生「楽しいですね」
音楽劇「天保十二年のシェイクスピア」の初日前会見が7日、東京・日生劇場で行われ、キャストの高橋一生(39)、浦井健治(38)、演出家の藤田俊太郎さんが見どころを語った。
シェイクスピアの全作品を横糸に、江戸末期の人気講談「天保水滸伝」を縦糸に織り込んだ井上ひさし作品で、初演は1974年。
旅籠(はたご=宿屋)街の争いを陰から操る異形の流れ者“佐渡の三世次(さどのみよじ)”役を演じる高橋は「舞台が久しぶりなんで、けいこ中はもう、浦井さん始め皆さんに頭を下げっぱなしの状態です」と謙そん。「極悪人は楽しいですね。ものすごくウキウキする。どれくらい極悪度を増していくか、お客さんの反応にリアルにどう合わせていけるのか、そういったことを改めて噛み締めていきたい」と意気込んだ。
高橋と舞台初共演となる浦井は「三世次と同じシーンが、ほぼないっていうのがちょっと寂しい」と吐露。けいこ場で高橋の演技を見ている機会が多かったそうで「一生さんのすごみ」を実感したという。「(共演の)先輩方(辻萬長ら)の背中があまりにも大きいので緊張はするんですけど、そういうときは一生さんの楽屋に入り浸って、2人でタピオカを飲んでいます」とリラックス法を明かした。
昨年12月からけいこに入り、あす8日にいよいよ開幕。カンパニーをまとめ上げてきた藤田さんは「一歩一歩駆け上がって、けいこをしてきた。演出冥利(みょうり)に尽きるって言っては言い過ぎかもしれませんが、自信作です」と胸を張った。
同劇場で29日まで上演される。