文房具界の頂点決める “総選挙” 会場を取材 トレンドは “ハイブリッドワーク” に “SDGs”
■小学生から大人まで… 文房具を愛する人たちが多く来場
今年で10回目を迎えた文房具総選挙。「書く」「記録する」「収納する」など、8つの部門別にノミネートされた “100の文房具” の中から、一般の人たちの投票で順位が決定します。「キッズの学習がはかどる文房具」部門もあることから、投票イベントには多くの子どもが “親子” で来場。また高校生から大人まで、真剣な表情で文房具に触れる人たちでにぎわっていました。
――どんな文房具が気になりましたか?
(小学6年生)忘れ物が多いので、“ランドセルにつけられるメモ用のポケット” がおすすめだと思いました。体操服とか忘れやすいので、メモに書きたいです。
――文房具の魅力は?
(40代女性)ペン1つとっても “インクの出方ちょっと” で、書けるものの雰囲気が変わったりする。触って、使ってみないとわからない世界、それが楽しくて面白いです。
■コロナ禍で進む在宅と会社の “ハイブリッドワーク” 手助け文房具がトレンド
『文房具総選挙2022』の実行委員長である和田史子さんに、特に “今のトレンド” を反映している部門について詳しく聞きました。
――注目の部門は?
(実行委員長・和田)「在宅・ハイブリッドワークがはかどる文房具&環境整備アイテム」部門です。コロナ禍で在宅ワークが増えたということで、それに対応する文房具というのがこの2年くらいでとても増えているんですけれども、よりラインアップが “個性的なもの” も増えました。さらに最近、また会社に戻って “ハイブリッド的な働き方をする” という方が増えています。そういった “ハイブリッドワーク(在宅と会社の組み合わせ)” にも対応するような、“家でも会社でも持ち運んで使う” というようなものも増えていると思います。
――具体的な特徴・機能は?
家だとダイニングのテーブルで仕事をするなど “環境に制限がある中で快適に仕事ができるよう” にということで、パソコンの高さを持ち上げて立って作業もできるし、それをたためば座って作業をできるものであったりとか、あとは、キーボードを立ち上げてより快適に、疲れにくく打鍵(キーボードを打つ)ができるものが出てきたりというような、“パソコン周辺のアイテム” も増えていると思います。
■文房具界にも “SDGs” の波 注目は “ペーパーレス化” できる文房具
――さらに今年、「SDGs文房具」という部門が新設されましたがどんな部門なのでしょうか?
エコだったり、あるいは使う側の多様性に配慮した文房具っていうのを集めてラインアップしている部門です。押しつけがましいものではなくて、ちゃんと “ユーザーが楽しんで使える文房具” がSDGsの分野でも増えているということで、今回部門に入れることになりました。
――その中でも注目は?
「QUADERNO(クアデルノ)」という電子ペーパーを使った端末です。タブレット端末って “表面がツルツル” していて書きづらいと思うんですね。それが「QUADERNO(クアデルノ)」は、ちょっと紙のようなざらつき、引っかかりがあるので “ペンで書いたときのような感覚” というのを再現しています。アナログ的な機能を持ちながらも、大量の “数万冊レベルのノート分の紙” をこの中に収納できるというようなところがあって、“ペーパーレス” という部分でもエコかなと考えています。
■文房具で子どもが学べる “SDGs” 「海のクレヨン」
この部門には “子どもたちの学びになる” 文房具も…。それが「海のクレヨン」。衛星画像をもとに、“世界12か所の海” から色を抽出したクレヨンです。クレヨンには色の名前ではなく “緯度と経度” が記されていて、青色からピンクまで様々な色がそろっています。
このクレヨンは、制作者が4歳の息子と「海の色って何色だと思う?」「青に決まってるじゃん!」という会話をきっかけに誕生。衛星写真で調べると “多種多様な海の色” があることに気づき、「海=青色ではない」という “地球の豊かさ” を、子どもたちに楽しみながら伝えるために制作されました。
(実行委員長・和田)ちょっとしたかわいさだったり、コンセプトで興味を持ってもらって、この海のきれいさをどう保つか、この色をちゃんとキープしていくっていう意識付けにもなるのかなと思っています。
『文房具総選挙2022』は5月24日、特設サイトで大賞が決定。部門別の1位も発表されます。