ジャッキー・チェン アクションのルーツは7歳から 「一人のトレーニングは退屈」 愛犬家の一面も
■最新作では馬と共演…愛犬家の一面も
現在70歳を迎えたジャッキーさんの最新作『ライド・オン』では、ケガをきっかけに第一線を退きながらも、愛馬とともに再起をかけるベテランスタントマンを演じています。映画への出演を決めた理由を教えてくれました。
――アクションや馬とのかけあいが素晴らしく、家族の話も心あたたまるものでした。
それも私がこの映画を引き受けた理由です。脚本が非常にユニークである以外に、父親と娘の家族愛(絆)、あと一番重要なのは馬ですね。役者としては、いろんな役柄を演じたいと思っています。
――どのように馬との絆を強めていったのですか?
二十数年前、私はカナダのカルガリーで乗馬や馬の調教を習ったことがあります。だから、馬が撮影現場にやってくると、話しかけたり、歌を歌ったりしました。毎日十数時間、一緒に過ごしました。現場で馬に向かって、“はっ!”、“ボン!”などと声を出すんです。すると最初、馬はびっくりするんですが、何度も声を出すことで、だんだん馬はこういった動きに害がないと分かるようになります。3か月間、毎日(繰り返し行いました)。しかし、乗馬の場合は人によって乗る時のコントロールが違います。馬は誰の言うことを聞けばいいのか分からなくなります。犬も同じですね。毎日一緒にいると他の人の言うことは聞かなくなります。(うちの犬を)お見せしますね。
(愛犬の写真を見せるジャッキーさん)
馬だけではなく、犬を10匹も飼うほど愛犬家なジャッキーさん。愛犬の写真も披露し、優しい笑みを浮かべました。
■若い時は多くのことができた
これまでに100本以上の映画に参加してきたジャッキーさんに、若い頃の作品について聞きました。
――印象的な作品はありますか?
非常にうれしいことに、若い時にはAIもスペシャルエフェクト(特殊効果)もCGもない状態で、多くのことができました。今はもう無理です。でも、以前できたことがうれしいです。ちゃんとやったわけだからね。今でもすごくうれしいと思います。
■アクションへのルーツ
ハードなアクションを生身でこなしてきたジャッキーさん。その源は何だったのでしょうか。
――どのようなトレーニングをしてきましたか?
私は7歳から習っています。毎日、朝9時から空手を習っていました。空手が終わった後は、柔道を習いました。夕飯前は合気道を習いました。夕飯終わった後はボクシング。夜9時は体を鍛えていました。小さい時は、お金がなかったんです。一番重要なのは電話もなかったです。カラオケもない。そういうことを習わないと行くところがないです。空手道場や合気道場で、友達みんなで一緒に次から次へと移動します。いったんバラバラになったら、今みたいに(電話で)「どこ?」ってわけにもいかず、以前は連絡が取れませんでした。
――毎日トレーニングができるっていうのは、好きという気持ちから来てるんですか?
みんな(がいること)。一人でトレーニングをやるのはすごく退屈です。今みなさんが仕事していると、電話で邪魔されることが多いです。友達とご飯食べた時も、食べ終わった後に一緒に食べた感覚がないんです。だから、電話はただかけるか受けるかで、SNSなどは一切ないです。一回だけこの携帯電話を6時間見続けていた。それはダメだと思いました。アプリを全部削除した。
■今後の目標「毎年少なくとも1作品以上」
映画の世界に入って63年。まだまだチャレンジを続けるジャッキーさん。最後に今後の目標を明かしました。
――今後、どのようなことに挑戦していきたいですか?
異なる役柄にチャレンジすることです。今年で、私は業界(映画界)に入って63年になります。どの作品も僕にとっては記念すべき作品です。どの映画が一番いいかは私にもわかりません。私はただ、毎年少なくとも1作品以上、全世界のファンにお見せしたいと思っています。