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動画1本で一躍世界のスター? クリエーターエコノミーの実態【SENSORS】

2024年1月18日 20:00
動画1本で一躍世界のスター?  クリエーターエコノミーの実態【SENSORS】

子どものなりたい職業の上位に「YouTuber」「ゲーム制作関連」「イラストレーター」といったクリエーター関連がランクインするなど(※日本FP協会 小学生の「将来なりたい職業」ランキングより)、コンテンツ制作の仕事に憧れる若者も多い。インターネットや各種SNSプラットフォームの発展とともに、1本の動画をきっかけに一躍スター・クリエーターとして脚光を浴びる事例も見られる。今回は、個人クリエーターの活動実態に迫る。

■クリエーターエコノミーとは

クリエーターエコノミーとは、個人がクリエーターとしてコンテンツやサービスなどを提供し、収入を得ることで形成される経済圏のこと。近年、動画や文章、イラストなどデジタルコンテンツの提供や、自身で制作したグッズやスキルの販売など、個人クリエーターの活躍の場が広がり続けている。

文化庁が令和4年に行った調査結果によれば、定期的にコンテンツなどを制作し、対外的に発信している人の割合は若年層ほど高く、また創作・発表を通じてほかのクリエーターや、コンテンツを購入してくれるファンとつながりを持つ傾向があることが報告されている。

このようなクリエーター間、あるいはファンとのつながりの後押しを目的としたプラットフォームも増加。「コンテンツ購入」「投げ銭」といったファンからクリエーター個人への課金の場を提供するだけでなく、コンテンツ制作を個人クリエーターに依頼したい企業とのマッチング、個人クリエーターのマネジメント、確定申告といった創作に付随する事務的のサポートなど、さまざなサービス形態が見られる。

■日本のクリエーターエコノミー市場は1兆円規模

三菱UFJリサーチ&コンサルティングなどが2022年に行った「国内クリエイターエコノミーに関する調査」によると、日本の15歳から69歳の男女で、クリエーター活動に取り組んでいる人口はおよそ10%、800万人以上になると推計されるという。このうち6割のクリエーターが収入を得ており、創作活動による平均収入は1か月あたり12.8 万円。その中で、月に100万円超の収入を得ている人はクリエーター全体の2%といわれている。

さらに、2023年の調査によると、日本国内のクリエーターエコノミーの市場規模は2022年時点で、推計1兆6552億円。一昨年と比べ21.9%増と拡大している。そして、世界規模では2021年で15.1兆円(1ドル=145円換算)とのデータもある。

■世界中のオーディエンスにリーチできる

クリエーター活動の中でも近年、高く注目されているのがTikTokをはじめとする縦型ショート動画の制作だ。TikTokの世界での月間アクティブユーザー数は10億人以上(2021年時点)と、世界中の膨大なオーディエンスに作品を届けるチャンスが広がっている。

クリエーターがTikTokを舞台に活動するメリットについて、TikTok Japan執行役員 佐藤 友浩 氏は次のように話す。

「クリエーターエコノミーにおけるTikTokの強みの一つは拡散力です。極端な話をすれば、TikTokではフォロワー数がゼロだったとしても、投稿したその日のうちに世界中に拡散される可能性も多いにあります」

そして動画クリエーターらの収益獲得の実態に関して、TikTok Japan佐藤氏は次のように述べる。

「TikTokには様々な収益化の手段があります。2023年8月に公開した、クリエーターがクリエイティブなオリジナル動画を通して報酬を得られる新たな収益化プログラム「Creativity Program Beta」(CPB)は大変好評です。CPBで得た収益で高級機材を購入し、よりクオリティの高い映像制作へチャレンジしているクリエーターやCPBで得た収益のみで車中泊生活を送っているクリエーターもいます。また、その他にも、例えばスポーツ関連の動画クリエーターなどに対しては、海外のサッカーのクラブリーグから直接、声がかかって『観戦に来てほしい。それをTikTokにアップロードして、公開してほしい』といった打診もあります。このようなケースがTikTok上には、実に多く見られます」

■まだ見ぬクリエーターを発掘 TikTokと日テレによる縦型動画コンテスト

縦型動画市場が大きく拡大している中、新たな才能を秘めたクリエーターを発掘し、その活躍を後押しする縦型動画コンテストが開催される。TikTokと日テレがタッグを組んで開催する『JAPAN VERTICAL MV CONTEST 2023』だ。

勝負の舞台は「ミュージックビデオ」。グローバルボーイズグループ・JO1がカバーする90年代のヒット曲「WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント」が、課題曲だ。実写動画はもちろん、アニメ、CG・生成AIなどテクノロジー活用や、イラストなど画力で勝負する表現も可。ジャンルを問わず、プロ・アマ誰でも応募が可能だ。グランプリ受賞者には、賞金100万円が授与される。

合成映像が作成できるクロマキー素材や、57台のカメラを使い260度から撮影し、JO1を自由に動かせる3Dのボリュメトリックデータなどなど、ミュージックビデオ制作に使用可能なJO1のパフォーマンス素材を配布。動画制作時にパーツとして使用することもできる。

優秀作品は、2024年3月放送の「SENSORS」で紹介予定だ。

HP(https://japanverticalmvcontest.com/)

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