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江の島で世界一楽しいゴミ拾い 海さくら4

2019年1月23日 17:13
江の島で世界一楽しいゴミ拾い 海さくら4

NPO法人「海さくら」の古澤純一郎理事長に聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つ目のキーワードは、「2050年、海のゴミが魚の量を超える!?待ったなしの海洋プラスチック問題」。古澤氏は今の世界の動きをどう感じているのか。


■ゴミ問題「自分事」で考える必要性


――去年あたりから世界でプラスチック問題が大きく注目されるようになりました。日本政府も今年6月のG20までに「プラスチック資源循環戦略」を策定しようとしています。この問題はどう考えていますか。

私たちは14年前から海でゴミ拾いをしているので、去年ぐらいからやっと世間が騒ぎ出してくれてうれしいという気持ちと、もうひとつは今報道されている「ストローをなくそう」とかを様々な企業がやっていますが、一国民としては、どこかの企業や国がやっているでは「自分事」ではなくなってしまうのではと危惧しています。

エコブームとかでもそうですが、神奈川県のゴミの回収量については一向に減っていないので、その時も自分事ではなくて、どこかの企業がやってくれればいいやという風潮がありました。今回は、いかに自分たちのことなんだということを伝えられるか、今がんばりたいという気持ちになるかが大事かと思います。


■砂浜のゴミ、こんなに浮いてくる


――実際、江の島の土にはプラスチックがたくさん埋まっているということですが。

先日1月9日に、江の島の東浜で採ってきた砂をスタジオに持ってきました。これに水を入れて、かき混ぜますと――


――赤だったり青だったり破片が上に浮いてきていますが、これがプラスチックなんですね。

これら5ミリ以下位のマイクロプラスチックを魚が食べてしまいます。浜辺にいくと大きめのプラスチックもありますので、当然小さくなって浜や海に出て行くというのがリアルに感じられます。


――結構な量が浮かび上がってきていますよね。実際、いま世界でプラスチックのゴミは、年間で3億トン出るといわれています。日本は確か1人当たりのプラスチックのゴミを出すのが、世界第2位と。これは自分たちの問題だと感じないといけませんよね。最近ストローをやめようという企業とか、少し動きが出てきているようですが、これについてはいかがでしょう。

みなさんと意見が違うかもしれませんが、ストローも「しっかり廃棄する」「リサイクルにまわす」とかが確立できていればいいと思います。資源や埋め立ての問題などいろんな要素は含んでいますが、ストローをなくそうだけではなくて、何でストローをなくさなければいけないのかということをそれぞれが勉強できるような、あるいは発信していくようなことをしていく必要があると思います。


――確かにストローというのは全体のごく一部ですよね。レジ袋の有料の義務化などいろんな動きはありますが、日々私たちが使っているプラスチックからこれは本当に必要なのかとか、過剰包装は必要なのかとか、そういうところから考えていく必要がありますよね。

そうですね、そう思います。


■もう昔の海ではないという事実


――あと、直接感じにくい危機的な状況が身近な海で起きているということなんですよね。江の島の海も危険な状態があるんですか。

世界的なゴミの話も大事なんですが、この湘南と呼ばれている江の島では、タイの2匹に1匹、アワビについては9割が養殖・放流されたものなんです。つまり、もう私たちの五感では感じないような海の変化が起きてます。海の生態系の一番大事なのが“海底の森”です。ワカメとかコンブとかそういうものもここ数年でかなり減少してしまっています。


――昔の海と違ってきてしまっていると。

海底の森についてはあからさまで全然違ってきています。だから本当に遠い話ではなくて、私たちの身近な相模湾や東京湾、そういったところに本当に危機が迫っているというのは事実です。


――海底の森という言葉がありましたが、去年からは海の中から、環境面からも後押しするということを考えているんですよね。

タツノオトシゴを戻そうということには、ゴミを拾うというひとつの車輪と、もうひとつは水質を改善するという車輪を動かさなくてはいけなくて、昔、江の島に生えていたアマモというものを専門家や漁港関係者とタッグを組んで、海底に森をつくるプロジェクトとしてやっています。


■ゴミ拾いの“入り口”をもっと広げる


――環境活動との連携にも広げていっているということですが、ポータルサイト「BLUE SHIP」というものがありますね。

私たちがゴミ拾いをしていて、近くで活動しているゴミ拾い団体とか、あまり交流がなくて知らないんですよ。だからそういう同士がつながったり、あと「食べログ」などはレストランを簡単に探せると思うんですが、その環境版がなかったので、簡単に環境活動を探せる「BLUE SHIP」というポータルサイトを日本財団と一緒につくりました。


――確かに私たちが、環境活動をしたいと思ってもどこに行って何をすればいいのか迷ってしまいますよね。

そうですね。そんな時に、自分の地域のゴミ拾い団体がないかなとかを探せるサイトです。まだ団体が多くは登録されてないので、ぜひ登録していただきたいなと思います。あとは学生の方などが、ゴミ拾いの団体をつくりたいという時にHPをつくるとお金がかかるので、「BLUE SHIP」では無料で作成できたり、登録すると新潟県燕三条のトングが10本送られてきたりします。


――カラフルなトングですね。やっぱりゴミ拾いしたいと思った時にビニール袋はもっていけても、トングって自分で持っていないですよね。

そうなんです。市町村でもゴミ袋の支給はあったとしても、なかなかトングは支給してくれませんので、そういったところのフォローになればと思っています。

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