日銀がマイナス金利解除、利上げに転換 大臣らの反応相次ぐ
日本銀行が19日にマイナス金利を解除し、利上げに転換したことを受けて、22日の閣議後の会見で、大臣らから反応が相次ぎました。
齋藤経済産業大臣は、日本銀行は金融政策の枠組みは見直したものの、当面は緩和的な金融環境が継続するとの見解を示した上で、「(利上げによる)貸出金利や企業の資金調達、設備投資への影響については予断を持たずに注視していきたい」と述べました。
さらに、賃上げや株高に触れ、次のように決意を示しました。
「今生じている潮目の変化を日本経済の構造変化に繋げ、デフレ完全脱却を実現し、投資も賃金も物価も伸びる成長型経済に移行するため、まさにこれからが勝負。政策を総動員して取り組んでいきたい」
また、コロナ禍に中小企業向けに実施されたいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済に利上げが与える影響については、「ゼロゼロ融資」は固定金利であるため、直接の影響はないと話しました。
鈴木財務大臣は一般論と断った上で、財政への影響について次のように見解を示しました。
「金利が上昇し、利払い費が増加すれば、我が国の対GDP比で高い債務残高を踏まえると、政策的経費が圧迫される恐れがある」「今後の財政運営に当たってはこのようなリスクも念頭に置きつつ、財政の持続可能性への信認が失われることがないように適切なかじ取りを行うことが重要」
また、日銀の会合後、円安が進んでいることについては、「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視してまいりたい」と述べました。
一方、坂本農水大臣は、日銀がマイナス金利を解除したものの、円相場は予想とは逆に円安に振れていることを受けて、次のように話しました。
「原料を海外に依存する肥料や配合飼料において、今般の金融政策の修正により、為替相場が円高方向になるとすれば価格が低くなる可能性がありますが、現実には円安の方向に振れています。私個人の気持ちとしては、なかなか円高に振れませんので、少し落胆しているところです」