楽天モバイル、KDDIの回線利用を拡大へ KDDI回線エリアの高速データ通信の利用上限も撤廃
楽天モバイルの三木谷浩史会長は12日、これまでの事業方針から一転してKDDIの回線利用を拡大する契約を新たに結んだことを会見で説明しました。
楽天モバイルは開業以来これまで、KDDIの通信網を借りながら自社の基地局の設置を進めていて、自社の基地局のエリア拡大に合わせてKDDIへの依存度を減らしていく方針でした。
しかし、通信の繋がりやすさの指標である「人口カバー率」は、今年4月末時点で他社より低い98.4%にとどまり、客から「繋がりにくい」という指摘が相次いでいたということです。
そこで、繋がりやすさをすぐに確保するために、自社の基地局拡大にこだわらず、KDDIの回線利用を拡大することを決めました。これにより、来月には人口カバー率が他社と同じ水準まで引き上げられるということです。
それに合わせて、KDDI回線のエリア内で設けられていた高速データ通信の利用上限を撤廃する新たな料金モデルに刷新し、顧客開拓に繋げる狙いです。
三木谷会長は会見で、「ネットワークはネットワーク。(自社でも他社でも)どちらでも別に構わないという考え方に変わりつつある」と述べ、今後、基地局設置のペースを緩める考え方を示しました。
楽天モバイルでは今まで基地局への設備投資が大きな負担となっていて、2023年度は3000億円の資金投入を予定していました。しかしKDDIの回線利用拡大に方針を変えたことで投資費用は2000億円にまで抑制されるということです。