“にんにく畑は宝の山” 日本各地で農家増 中国産は値上がりも
にんにくといえば青森産か中国産が国内では多いですが、今、各地でにんにく作りを始める農家が増えています。
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都内のにんにく料理の専門店。頭を抱えていたのは…
池尻大橋オカダガーリック 岡田真二店主
「外国産(にんにくの仕入れ値)が特に上がっている。500円が700円台くらいに」
中国産のにんにくの仕入れ値の上昇です。
卸売価格は3年前と比べて約2倍に。(※東京都中央卸売市場 大田市場 市場統計情報(月報・年報)1キロあたり2021年9月:263円 今年9月:509円)
中国産が値上がりを続ける一方で、このお店では国産の仕入れ値は比較的、安定。国内のさまざまな産地のものを試したといいます。
池尻大橋オカダガーリック 岡田真二店主
「(国産で)いいところがあれば使ってみたい」
日本の市場に出回るにんにくは半分近くが中国産。国産は青森県産が多くを占めていますが今、その構図に変化の兆しがあるといいます。
房総半島にある千葉県の道の駅に行ってみると、にんにくがずらっと山盛りになっていました。千葉県産のにんにくです。お値段は3玉ほど入って350円。この地域では需要の高まりを受け、にんにくを栽培する農家が拡大。千葉県で栽培するにんにくの作付面積も増えているといいます。
その食べ方は…
お客さん
「カツオの刺し身は必ずにんにくじょうゆ、もう決まりですね」
お客さん
「わさびの代わりににんにく」
お客さん
「あと焼き肉も(にんにく入れる)。スタミナ食にもなるし体にいい」
お客さん
「ほぼ毎日、なんらかの料理に使っています」
意外な場所でもにんにく作りが盛んになっていました。それは北海道。31日、畑ではにんにくを土に埋め、種まきをしていました。
あらいふぁーむ 新井聡さん
「温暖化・気候の関係で北海道の方がだんだん適してきているのかなと」
実は例年なら今の時期、雪が畑に積もることもあるといいますが、温暖化の影響で積雪の時期がずれ込み種をまける時期がのびたため、作りやすくなったというのです。
“脱サラ”してにんにく農家になった新井さん。売れ行きは…
あらいふぁーむ 新井聡さん
「(売れ行きは)年々増えています。(生産量を)増やしても増やしても足りない」
コロナ禍の健康志向が高まりもあり、にんにくの需要が伸びたことなどから、生産が追いつかないほど忙しいといいます。
その気になる味は…
新井さんが作ったにんにくを使い、料理を提供しているレストランへ。地元産の豚のうまみをひきたてるというにんにく。糖度は40度近くでフルーツ並み。また農薬不使用にこだわり、翌日に嫌な臭いが残りづらいといいます。
桃の一大産地、岡山は県をあげてにんにくの産地を目指そうと力を入れています。
話を聞いたのは、岡山県で会社員をしながらにんにく農家も始めた男性。その訳は…
にんにく農家兼会社員 みらいファーム 片山達也さん
「畑一面が宝の山みたいな感じには見える。単価がいい」
にんにくは水やりが週末だけで済むなど兼業農家でも作りやすく、畑の面積が小さくても販売価格がいいということです。
岡山県の農協では売れ行きが期待できる作物として、にんにく農家を増やすため、今年、初心者向けの講習会を開催。
今後、日本各地で作られたにんにくが手軽に食べられる日がくるのでしょうか。