非正規労働者の“賃上げ”要求 企業と交渉へ “春闘”本格化の中で…
岸田首相が経済界に賃上げを求め、「ユニクロ」が大幅に賃金を上げると発表するなど、賃上げの機運が高まっている中、パートや契約社員など非正規で働く人が賃上げを求めて初めて動き出しました。
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「経団連は、非正規労働者の賃上げを要請しろー!」
15日、企業の経営側の団体「経団連」の前で訴えていたのは、パートや契約社員などの非正規で働く人たちです。賃金の引き上げを求めていました。
企業と労働組合が賃金などをめぐって交渉するいわゆる“春闘”が本格化している中、課題となっているのが非正規で働く人たちの賃金アップです。非正規で働く人の割合は、労働者全体のおよそ37%と、実に3人に1人以上が非正規で働いているのです。物価の上昇を受け、これまで春闘の交渉に含まれてこなかった非正規で働く人たちも声を上げたのです。
斉藤さん(仮名・38)
「日々の生活がとても大変です!」
都内に住む斉藤さん(仮名)、38歳は、コールセンターで契約社員として働く非正規の従業員です。
契約社員 斉藤さん(仮名・38)
「(通常一か月の)稼ぎとしては18万円、19万円くらいで」
年末の休みもあったため、1月に振り込まれた給料は15万円あまりでした。そこに追い打ちをかけたのが電気代とガス代です。
契約社員 斉藤さん(仮名・38)
「5000円上がっているんですよね。ちょっと困りますね」
1月の料金が2022年より5000円近く増えたといいます。
契約社員 斉藤さん(仮名・38)
「先々のことを考えるとしんどい」
そこで、春闘に参加することを決断しました。
様々な業態でつくる労働組合がまとまり、今年初めて非正規労働者の賃上げ交渉を企業と行うと発表しました。
総合サポートユニオン 青木耕太郎さん
「大企業から中小企業まで全部、非正規労働者の賃金を上げていく(ことを目指す)」
参加するのはスシロー、かつや、KDDIエボルバ、シェーン英会話など、大手飲食チェーンや語学学校など33社で働く非正規の労働者およそ300人です。一律10%の賃上げを要求しました。
非正規労働者の賃上げについても、経団連は企業に呼びかけていて、どこまで広がるかが焦点です。