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若者流出も止まらず “深刻な人手不足” に直面する県内企業 専門家「総合的な対策が重要」《長崎》

2024年12月17日 16:00
若者流出も止まらず “深刻な人手不足” に直面する県内企業 専門家「総合的な対策が重要」《長崎》

日本銀行長崎支店は、12月の短観=企業短期経済観測調査を発表しました。

指摘されたのは、深刻な人手不足。

人材確保に向けて初任給を大幅にアップするなど、企業の賃上げの動きが加速しています。

日本銀行長崎支店が発表した12月の短観。

景気が「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた企業を引いた景況感の指数は「プラス18」で、前回9月の調査から2ポイント悪化しました。

(日本銀行長崎支店 伊藤 真 支店長)
「人手不足感の強まりということについては、長崎県は特に強まっている」

従業員の過不足を示す指数は「マイナス45」で、前回より5ポイント悪化。

全国を9ポイントも下回っていて、日銀長崎支店は今後も “人手不足感” が続くとみています。

人材確保に向けて、賃上げに動く企業も。

飲食やホテル、アミューズメント事業を展開する「ひぐちグループ」は、来年春に入社する社員の初任給を、4万円から5万円引き上げます。

(ひぐち人事部 柿山 朋寿部長)
「長崎スタジアムシティや (JR長崎)駅前の開発など、労働の需要が一気に上がることが分かっていたので、この時期にやらざるを得ない」

今年6月には、県内のパート・アルバイトの時給を200円引き上げたほか、来年春には全社員を対象に平均8%の賃上げも計画しています。

(ひぐち人事部 柿山 朋寿部長)
「採用条件を競争力のあるところ、優位性のあるところまで引き上げて、それを維持できる生産性を保っていかなければいけない。そういう企業でなければ勝ち残れない」

県内では、今年の春闘で前年を約4000円上回る、平均1万4000円あまりの賃上げが実現しています。

(ながさき地域政策研究所 鶴田 貴明理事長)
「特に長崎では人の需要がこれまで以上に高まっている。若者の流出も止まらないので、本当に人の奪い合い。人手不足が顕在化している」

ながさき地域政策研究所の鶴田 貴明理事長は、地元企業に目を向けてもらうために “賃上げ” は、有効な手段だと指摘します。

一方で。

(ながさき地域政策研究所 鶴田 貴明理事長)
「今いる人材、社員のつなぎとめもすごく重要で、賃金だけでなく、働き方改革や福利厚生も含めて、総合的な対策が重要」

ひぐちグループでも賃上げに加え、転勤に伴う負担軽減を目的に地元採用を増やすなど、多様な働き方に対応する制度設計も計画しています。

(ひぐち人事部 柿山 朋寿部長)
「事業展開上、どうしても社員の転勤が必要だが、「じゃあ転勤が極力ないところに転職しよう」という事例も増えているので、いろいろな働き方に対応していけるかというところは根本から変える必要がある」

大型開発や観光需要の回復を追い風に成長を続ける県経済。

人手不足の解消ができるのか…来年以降の大きな課題となりそうです。

最終更新日:2024年12月17日 16:00
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