宮崎県内の最低賃金は、5日から時給952円に引き上げられます。
働く人からは「物価高の中、生活の支えになる」と喜びの声があがる一方、企業側からは人件費が増え、経営が圧迫されることを懸念する声も聞かれました。

宮崎市のＪＲ宮崎駅前では4日朝、宮崎労働局の職員7人がティッシュやチラシを配りながら、最低賃金が引き上げられることをＰＲしていました。
最低賃金は、都道府県ごとに10月から順次、引き上げられます。
最も高いのは東京都の時給1163円、最も低いのは秋田県の951円で、全国平均は1055円。宮崎はこれまで時給897円でしたが、5日から55円アップし時給952円となります。

（宮崎労働局　坂根登局長）
「労働者の方々には自身の賃金が最低賃金を上回っているかのチェックをお願いしたい。物価の高騰などに賃金が追いついていないので、県民の生活が少しでも楽になればいい」

（早瀬純哉記者）
「今回、最低賃金は金額・上げ幅ともに過去最大となりました。物価高が続く中、県民の皆さんはどのように考えているのでしょうか」

（大学生）
「知らなかった。おいしいものいっぱい買って旅行とか行きたい」
（20代）
「（自分に影響は）特にないが、アルバイトの方のモチベーションが上がるのかな」
（大学生）
「うれしい。バイト代が増えるので」
（大学生）
「5時間で250円上がったら結構収入も大きくなるので良いと思う。野球観戦が好きでいろんなところに行ったりしているので、（お金は）大事」
（50代）
「宮崎県は賃金が低いので、上がったら皆さんうれしいと思う。物価高なので助かる」

一方、企業側は…。
（ハットリー管理部　黒木俊一部長）
「（今回の上昇は）予想を上回った感じがある。従業員の皆さんが給料が上がって喜んでもらえるのはうれしいことだが、経費が増えるのは会社としても厳しく受け止めている」

宮崎市内でスーパー6店舗を運営するこちらの会社では、あす以降、学生アルバイトやパートタイマ―約330人の時給を52円～55円引き上げます。
これにより、人件費が6パーセント増える見込みです。

（ハットリー管理部　黒木俊一部長）
「商品の価格を上げるわけにはいかないので、その他の部分、業務の効率化などで経費を抑えるように取り組んでいく」

こうした中、宮崎労働局は負担が増加する中小企業に対し「業務改善助成金」の活用を呼びかけています。
これは、賃上げとともにセルフレジを導入するなど、生産性の向上につながる設備投資をした事業者を支援する制度で、県内では、今年4月から先月までの半年間で146件の申請があり、前年の同じ時期の約2倍になっています。