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ウクライナ「北朝鮮兵士2人を捕虜に」 新たな映像公開の意味は?【バンキシャ!】

2025年1月13日 9:47
ウクライナ「北朝鮮兵士2人を捕虜に」 新たな映像公開の意味は?【バンキシャ!】
日本時間11日、ウクライナは“北朝鮮の兵士を拘束した時の様子”とする1本の動画を公開しました。ケガをしている捕虜の2人は治療を受けているといいます。北朝鮮からロシアへの派兵の実態、そして新たな“捕虜動画”からわかることとは?【バンキシャ!】

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日本時間の11日。ウクライナ軍が、“北朝鮮の兵士を拘束した時の様子”とする1本の動画を公開した。ドローンで撮影された、この動画(ウクライナ軍のSNSより)。軍服に身を包んだ数人の兵士が、何かを運びながら地上を移動していく。

また同じ映像には、“拘束された北朝鮮兵”とみられる人物の姿も。苦しそうに呼吸する様子が映し出されていた。

同じ日、ウクライナのゼレンスキー大統領はSNSでこう発表した。

ゼレンスキー大統領のSNS
「我々の兵士がクルスク州で北朝鮮の兵士2人を捕虜にした」

北朝鮮をめぐっては2024年10月以降、ロシアへの派兵が伝えられてきた。その数、およそ1万2000人(ウクライナの発表による)。今回、ウクライナは、うち2人をロシア西部のクルスク州で拘束。ウクライナの首都・キーウに移送したという。

その北朝鮮兵2人の“キーウでの様子”を、ウクライナの治安当局が動画で公開した。タイトルは「ウクライナ軍 初めて北朝鮮兵を捕虜に」(11日公開/ウクライナ保安庁のSNSより)

ウクライナ保安庁の広報官
「ウクライナ軍は、ロシアのために戦っていた北朝鮮兵をとらえました」

まず登場したのは、ウクライナ保安庁の広報官。続いて、鉄格子の奥で横たわる人物の姿が映し出された。ベッドの脇には、パンとスープだろうか、食事が置かれている。

ウクライナ保安庁の広報官
「2人の北朝鮮兵についてお話します。1人は1月9日に特殊作戦部隊によって拘束され、もう1人は空挺部隊によって拘束されました」

9日に拘束されたという2人。1人は顎にテープを巻かれ、別の1人は手を包帯で覆われている。

動画ではまず、医師が2人の健康状態について語った。

医師
「1人は顎と顔面を負傷しているため、歯科医が治療を行います。もう1人は足に骨折を伴うケガをしていますが、2人とも十分な手当てを受けています」

ウクライナが“国際法に基づき捕虜を適切な環境で拘束している”と強調。

続いて、2人に対して行われている取り調べの内容が明かされた。初めに、コミュニケーションの取り方について。

ウクライナ保安庁の広報官
「捕虜たちはウクライナ語も英語もロシア語も話しません。そのためコミュニケーションは朝鮮語の通訳を介して行っています」

動画では、顎にテープを巻いた兵士がノートに何か書く様子も。ケガの影響で、一部の質問に筆談で答えたという。

そして話は“北朝鮮兵”が語った内容に及んだ。

ウクライナ保安庁の広報官
「1人は2005年生まれで、2021年からは北朝鮮でスナイパーを務めていたと証言しました」

その兵士が持っていたという、ロシア軍の身分証明書のページをめくると、名前や生年月日などの情報が。しかし、記されていたのは別人の名前だという。また、生まれた年は、証言では2005年だったが、1998年に。そして国籍や署名の欄は空白になっていた。

兵士はこの身分証について、「去年(2024年)の秋にロシアで発行された」と証言。そしてロシアに来た理由をこう話したという。

“北朝鮮兵”の証言
「ウクライナ軍との戦闘ではなく、訓練に参加するつもりだった」

最後に「戦争捕虜収容部屋」と書かれたドアが閉められ、動画は終了。

ゼレンスキー大統領は、北朝鮮兵について“ロシアがその存在を隠している”と非難。「世界は真実を知る必要がある」と強調している。

*1月12日放送『真相報道バンキシャ!』より
最終更新日:2025年1月13日 9:47