エスカレーターが突然“逆走”…大勢の人が転がり落ちる 14人ケガ・3人重傷 韓国
8日、韓国・城南市の駅で、エスカレーターが突然、逆走し、大勢の人が転がり落ちる事態が起きました。消防によると、14人がケガをし、うち3人が重傷だということです。こうしたエスカレーターの事故は、日本でも起こりうると専門家は指摘します。
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8日午前8時すぎ、韓国・城南市で「エスカレーター事故」の瞬間を監視カメラがとらえました。通勤時間帯だったため、「上りのエスカレーター」は混み合っていました。乗っていたうちの1人がバランスを崩すような様子を見せた直後、大勢の人がエスカレーターから次々と転がり落ちてきました。その流れに巻き込まれないよう、とっさに隣にある「下りエスカレーター」へと飛び移る人もいました。
別の映像では、現場で悲鳴が飛び交う様子がとらえられていました。折り重なった人の山にとり残された人を引っ張り出そうとしますが、引っ張り出せず、そのまま後ろ向きに転倒する人もいました。
付近に散乱した「めがねのレンズ」や「新聞」が、朝の駅で起きた混乱の大きさを物語っています。
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現場は韓国・城南市にある地下鉄の駅でした。8日午前8時すぎ、駅の出口付近に設置された、長さ約9メートルの上りのエスカレーターで、利用客が巻き込まれる事故が起きました。
目撃者
「『アー』って悲鳴が聞こえたので、下をのぞいたらけが人が座っていました。目を閉じていたから、すごく痛そうでした」
利用客
「こんな事故が起きて驚いたし、動揺しています」
消防によると、14人がケガをしていて、うち3人が重傷だということです。
今回の事故は、普段から多くの人が行き交う「駅」で起きました。その原因は、エスカレーターの“逆走”です。
一方で、事故の原因については“謎”も残りました。同じ地下鉄の駅構内の別のエスカレーターをみると、入り口付近の手すりの下部分に非常停止ボタンがあります。警察が調べたところ、当該のエスカレーターを手動で操作したような形跡はなく、逆走の理由はわかっていません。
ただ、普段この駅を利用するという人は――
利用者
「向こうのホームに降りるエスカレーターも、よく故障していたんです」
先月の定期点検では、異常は確認されなかったということですが、韓国メディアは、その点検に不備や機械的な不具合などがあった可能性を指摘しています。
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こうした、エスカレーターの逆走事故は韓国に限ったことではなく――
文京学院大学学長補佐 新田都志子特任教授
「日本でも、2008年にビッグサイトで“逆走”の事故がありまして、どこでも起こりうることだと思います」
2008年には、都内の大型展示場でエスカレーターが急停止し、乗っていた多くの利用客が転倒する事故がありました。
2014年にも、神奈川県川崎市の武蔵小杉駅で、上りのエスカレーターが突然停止。直後に逆方向へと動き、利用客が巻き込まれる事故が起きています。
日常に潜むエスカレーターの事故。専門家は、身を守るために普段からの心構えとして――
文京学院大学学長補佐 新田都志子特任教授
「手すりを持っていることで、手の方にぐっといくこともできるので、倒れづらいと思う」
また、「緊急停止ボタンを押す前に、ほかの人にも『手すりを持つよう』呼びかけることも重要だ」ということです。