中米バハマ 世界最大「海の森」へ 地球を守る切り札…その全貌とは?【バンキシャ!】
日本テレビが「地球にいいこと、人にいいこと」を考える『Good For the Planetウィーク』略してグップラ。バンキシャ!は、カリブ海の国・バハマで、地球温暖化対策の切り札と注目される世界最大の「海の森」を取材。桝太一キャスターがエメラルドグリーンの海に潜ると、そこには今までに見たことのない光景が広がっていました。(真相報道バンキシャ!)
◇◇◇
この日、桝太一キャスターは胸の高鳴りを抑えきれずにいた。
桝太一キャスター
「エメラルドグリーンの海が見えてきました」
日本から飛行機を乗り継ぐこと約18時間。
「むわっとした空気。あっついな」と話す桝キャスターが到着したのは、中米カリブ海の島国・バハマ。世界屈指のトロピカルリゾート。その美しい海に、桝キャスターが潜る。
初めてのカリブ海。
桝太一キャスター
「ウミガメだ!」
「でかいロブスターです」
この豊かな海で桝キャスターが目撃したのは、関東地方の約3倍の広さで“世界最大”の海の森だ。今、地球温暖化対策の切り札として注目されている。その海の森を守っているものがあった。
◇◇◇
700あまりの島々からなる国、バハマ。その首都、ナッソー。
桝太一キャスター
「本当に街並みがカラフル。(建物は)鮮やかなピンク色」
「有名なマーケットですね。たくさんの観光客の方々がいらっしゃっています」
「みんな明るいですね」
街から少し行くと…。
桝太一キャスター
「バハマのビーチが目の前に広がっています」
カリブ海屈指の美しい海。ここに、世界最大の海の森が広がっているという。一体どんなものなのか──。
「バハマの海に潜る準備。こんなワクワクすることはない。楽しみだな」と話した桝キャスター。いざ出航。ドローンで上空からも撮影する。出航から10分。いよいよ、沖合へ。
桝太一キャスター
「すごいですね。海全体がエメラルドグリーン! こんな海があるんだ」
「ちょっと信じられない。日本では考えられませんね」
出航から1時間。
桝太一キャスター
「今、目的地に着きました。クリフトンベイと呼ばれている非常に浅く、きれいな海です」
カメラマン
「タイチ、ボートの前の方へ泳ぐよ」
「バハマの海に入ってまいります」と海に潜ると、「すごいですね」と話す桝キャスター。
水深は約3メートル。早速、桝キャスターが見つけたのはウミガメ。甲羅の上にはコバンザメ。さらに進むと、海の森が広がっていた。
桝太一キャスター
「海の森です」
「ずーっと海の森が広がってる」
「この1本1本が、いわゆる海草(うみくさ)と呼ばれているもの」
長さは10センチほど。
桝太一キャスター
「ものすごい密度」
まさに海草の“絨毯”。実はこの海草、温暖化対策の切り札として世界で注目されているのだ。
桝太一キャスター
「海草の森があるかないかが、私たちの今後の地球環境を左右するかもしれない」
海草などの「海の植物」は、「地上の植物」と同じように光合成をして二酸化炭素を吸収する。酸素を放出し、炭素はためこむ。これがブルーカーボンだ。ときには数千年という単位で海底に蓄積されるという。海は、陸よりも多くの炭素をため込むことができるという。
では、海の森はどれだけ広いのか──。最大で約9万2000平方キロメートル。関東地方の3倍近い広さで世界最大とされている。ため込むことができる二酸化炭素は、年間約800万トン。これは日本の海草と海藻が吸収する二酸化炭素の約23倍にあたる。実は、この海の森の実態が発表されたのは、わずか1年半前のこと。
調査を行った専門家に話を聞くことができた。
バハマの海草を調査するカルロス・デュアルテ教授
「海の森を調査するには、イタチザメを使えばいいと考えた」
海の森をすみかとするイタチザメに、カメラと追跡装置を取り付け調査。そのデータから海草が生えている範囲がわかったという。
バハマの海草を調査するカルロス・デュアルテ教授
「私にとっては偉大な発見でした」
「バハマの海は広すぎるので、イタチザメを使わなければ、調べることはできなかった。当初考えられていたより30%も広い海の森が存在」
◇◇◇
ではなぜ、バハマではこれほどまでに海草が育つのか。その理由を探った──。
「このあたりはだいぶ深いエリア」と話す桝キャスターが潜った海は、水深約10メートル。海の青い色が段々と濃くなっていく。しかし、その海の底にも。
桝太一キャスター
「水深10mですよ。なかなか日本では、あり得ない光景です」
海の森が、広がっていた。
カリブ海屈指の透明度。そのため、10メートルの深さでも日の光が海底に届き、明るく照らしていた。
桝太一キャスター
「海の透明度が高いからこそ光が差し込むので、海の森が広がる」
バハマに広大な海の森がある理由の一つが、この透明度。さらにもう一つ理由があった。
それが…顔の大きさほどもある、巻き貝。
桝太一キャスター
「動いた!」
これはコンク貝。バハマの海に多く生息している。エサは海草の表面に付着した藻だ。藻がついていると光が遮られてしまう。しかし、コンク貝が藻を食べることで海草の成長に必要な日の光が十分に届くのだ。
海の森を守るコンク貝は、人々の暮らしにもなくてはならない存在。街のレストランを訪ねると…。
店の人
「水の中に新鮮なコンク貝があります。こっちにおいで」
桝太一キャスター
「水の中?」
「海だ!」
「海の中から(コンク貝を)あげてくる」
コンク貝を海から引き揚げ、ハンマーを使い中身を取り出す。
桝太一キャスター
「すごい大きな身」
バハマのソウルフードだという。作ってくれたのは、店の看板メニューのコンクサラダ。
桝太一キャスター
「バハマの名物?」
店の人
「名物です。バハマの人も観光客も、たくさん食べにきます」
桝太一キャスター
「貝のカルパッチョ」
「コンクがいい意味であっさりしてる。どんな調味料にも合う」
サラダからフライまで、あらゆる料理に使われている。実はバハマには、コンク貝を守るための法律があるという。どんな法律なのか…。
漁師
「法律では5歳以上のコンク貝しかとってはいけない」
「輸出には特別なライセンスが必要で、規制されているんです」
人々がコンク貝を守り、そのコンク貝が海の森を守る。バハマの海が温暖化を防ぐヒントを教えてくれた。
(6月2日放送『真相報道バンキシャ!』より)
◇◇◇
この日、桝太一キャスターは胸の高鳴りを抑えきれずにいた。
桝太一キャスター
「エメラルドグリーンの海が見えてきました」
日本から飛行機を乗り継ぐこと約18時間。
「むわっとした空気。あっついな」と話す桝キャスターが到着したのは、中米カリブ海の島国・バハマ。世界屈指のトロピカルリゾート。その美しい海に、桝キャスターが潜る。
初めてのカリブ海。
桝太一キャスター
「ウミガメだ!」
「でかいロブスターです」
この豊かな海で桝キャスターが目撃したのは、関東地方の約3倍の広さで“世界最大”の海の森だ。今、地球温暖化対策の切り札として注目されている。その海の森を守っているものがあった。
◇◇◇
700あまりの島々からなる国、バハマ。その首都、ナッソー。
桝太一キャスター
「本当に街並みがカラフル。(建物は)鮮やかなピンク色」
「有名なマーケットですね。たくさんの観光客の方々がいらっしゃっています」
「みんな明るいですね」
街から少し行くと…。
桝太一キャスター
「バハマのビーチが目の前に広がっています」
カリブ海屈指の美しい海。ここに、世界最大の海の森が広がっているという。一体どんなものなのか──。
「バハマの海に潜る準備。こんなワクワクすることはない。楽しみだな」と話した桝キャスター。いざ出航。ドローンで上空からも撮影する。出航から10分。いよいよ、沖合へ。
桝太一キャスター
「すごいですね。海全体がエメラルドグリーン! こんな海があるんだ」
「ちょっと信じられない。日本では考えられませんね」
出航から1時間。
桝太一キャスター
「今、目的地に着きました。クリフトンベイと呼ばれている非常に浅く、きれいな海です」
カメラマン
「タイチ、ボートの前の方へ泳ぐよ」
「バハマの海に入ってまいります」と海に潜ると、「すごいですね」と話す桝キャスター。
水深は約3メートル。早速、桝キャスターが見つけたのはウミガメ。甲羅の上にはコバンザメ。さらに進むと、海の森が広がっていた。
桝太一キャスター
「海の森です」
「ずーっと海の森が広がってる」
「この1本1本が、いわゆる海草(うみくさ)と呼ばれているもの」
長さは10センチほど。
桝太一キャスター
「ものすごい密度」
まさに海草の“絨毯”。実はこの海草、温暖化対策の切り札として世界で注目されているのだ。
桝太一キャスター
「海草の森があるかないかが、私たちの今後の地球環境を左右するかもしれない」
海草などの「海の植物」は、「地上の植物」と同じように光合成をして二酸化炭素を吸収する。酸素を放出し、炭素はためこむ。これがブルーカーボンだ。ときには数千年という単位で海底に蓄積されるという。海は、陸よりも多くの炭素をため込むことができるという。
では、海の森はどれだけ広いのか──。最大で約9万2000平方キロメートル。関東地方の3倍近い広さで世界最大とされている。ため込むことができる二酸化炭素は、年間約800万トン。これは日本の海草と海藻が吸収する二酸化炭素の約23倍にあたる。実は、この海の森の実態が発表されたのは、わずか1年半前のこと。
調査を行った専門家に話を聞くことができた。
バハマの海草を調査するカルロス・デュアルテ教授
「海の森を調査するには、イタチザメを使えばいいと考えた」
海の森をすみかとするイタチザメに、カメラと追跡装置を取り付け調査。そのデータから海草が生えている範囲がわかったという。
バハマの海草を調査するカルロス・デュアルテ教授
「私にとっては偉大な発見でした」
「バハマの海は広すぎるので、イタチザメを使わなければ、調べることはできなかった。当初考えられていたより30%も広い海の森が存在」
◇◇◇
ではなぜ、バハマではこれほどまでに海草が育つのか。その理由を探った──。
「このあたりはだいぶ深いエリア」と話す桝キャスターが潜った海は、水深約10メートル。海の青い色が段々と濃くなっていく。しかし、その海の底にも。
桝太一キャスター
「水深10mですよ。なかなか日本では、あり得ない光景です」
海の森が、広がっていた。
カリブ海屈指の透明度。そのため、10メートルの深さでも日の光が海底に届き、明るく照らしていた。
桝太一キャスター
「海の透明度が高いからこそ光が差し込むので、海の森が広がる」
バハマに広大な海の森がある理由の一つが、この透明度。さらにもう一つ理由があった。
それが…顔の大きさほどもある、巻き貝。
桝太一キャスター
「動いた!」
これはコンク貝。バハマの海に多く生息している。エサは海草の表面に付着した藻だ。藻がついていると光が遮られてしまう。しかし、コンク貝が藻を食べることで海草の成長に必要な日の光が十分に届くのだ。
海の森を守るコンク貝は、人々の暮らしにもなくてはならない存在。街のレストランを訪ねると…。
店の人
「水の中に新鮮なコンク貝があります。こっちにおいで」
桝太一キャスター
「水の中?」
「海だ!」
「海の中から(コンク貝を)あげてくる」
コンク貝を海から引き揚げ、ハンマーを使い中身を取り出す。
桝太一キャスター
「すごい大きな身」
バハマのソウルフードだという。作ってくれたのは、店の看板メニューのコンクサラダ。
桝太一キャスター
「バハマの名物?」
店の人
「名物です。バハマの人も観光客も、たくさん食べにきます」
桝太一キャスター
「貝のカルパッチョ」
「コンクがいい意味であっさりしてる。どんな調味料にも合う」
サラダからフライまで、あらゆる料理に使われている。実はバハマには、コンク貝を守るための法律があるという。どんな法律なのか…。
漁師
「法律では5歳以上のコンク貝しかとってはいけない」
「輸出には特別なライセンスが必要で、規制されているんです」
人々がコンク貝を守り、そのコンク貝が海の森を守る。バハマの海が温暖化を防ぐヒントを教えてくれた。
(6月2日放送『真相報道バンキシャ!』より)