相次ぐ不祥事受け、英BBC会長が辞任
イギリスの公共放送「BBC」のエントウィスル会長が10日、辞任した。情報隠ぺい疑惑に加え、誤報の責任を取ったもので、現地の新聞は「BBCは『クライシス』(=危機にひんしている)」と厳しく批判している。
BBCは2日の看板報道番組の中で、80年代にある国会議員が子供に対する性的虐待を行ったとする証言を放送した。しかし、その後、誤報だったことが明らかになった。
BBCは今回の誤報だけでなく、別の情報隠ぺい疑惑も取り沙たされている。かつての有名司会者であるジミー・サビル氏による子供への性的暴行を知りながら見て見ぬふりをした上、これを告発する報道を直前に差し止めたとされている。
イギリスでは去年に起きた大衆紙の盗聴事件などの調査も継続している。そうした中、国際的にも影響力を持つ報道機関であるBBCが立て続けに不祥事を起こしたことで、市民からはメディア全体に対する厳しい視線が向けられている。