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日系アメリカ人俳優が語る“強制収容体験” 米大統領令から83年

2025年2月19日 23:16
日系アメリカ人俳優が語る“強制収容体験” 米大統領令から83年

第二次世界大戦中、アメリカで日系人の強制収容につながる大統領令が出されてから19日で83年となりました。強制収容を経験した俳優のジョージ・タケイさんがNNNの取材に応じました。

第二次世界大戦中の1942年2月19日、当時のルーズベルト大統領が出した大統領令によって、日系人の強制収容が始まりました。

SFドラマ「スタートレック」への出演で知られる俳優のジョージ・タケイさんは、当時5歳でしたが、いまでもその体験を鮮明に覚えています。

日系アメリカ人 ジョージ・タケイさん(87)
「バラックの一角のシャワーは間仕切りもなく、パイプと蛇口の他は何もなかった。女性は誰もいない深夜に入ろうとしたが、凍るような冷たい水、長く浴びることもできなかった」

父親は日本人でしたが、タケイさんはロサンゼルス生まれのアメリカ人、初めて経験した人種差別でした。

日系アメリカ人 ジョージ・タケイさん(87)
「強制収容についてほとんどのアメリカ人が知らなかったし、触れないようにしていた。これがアメリカなのだと感じました。私たちはアメリカ人で(日本軍の)真珠湾攻撃とは関係もなかったのに」

タケイさんは自らの収容体験を絵本にまとめるなど、これまで「教訓」を語り継いできましたが、いま、それが脅かされていると感じています。

日系アメリカ人 ジョージ・タケイさん(87)
「私がやってきたことは、アメリカ人に私たちの理想(差別撤廃)がいかに大事かを伝えることです。しかし、それはトランプ大統領のような人に簡単に壊される脆(もろ)いものでもあるのです」

タケイさんは今後も、「教訓」を伝え続けたいと話しています。

最終更新日:2025年2月19日 23:33
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