習主席ついにトランプ批判 「世界と対立すれば孤立」 アメリカへの報復関税を125%に
ついに習近平国家主席がトランプ政権を批判しました。中国政府は11日、アメリカへの報復関税を125%に引き上げる、と発表しました。習主席は「世界と対立すれば孤立することになる」と、対決姿勢を鮮明にしています。
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アメリカ トランプ大統領(10日)
「中国はどうなるだろうか。中国はいままで長い間、私たちの国を利用してきた。誰よりも金をむしりとってきたんだ」
米中で加速する、関税をめぐる“報復合戦”。さらに動きが激しくなっています。
日本時間の10日には中国への関税をさらに引き上げ、125%にすると発表していたアメリカ。日本時間の11日になりホワイトハウスは合成麻薬の流入を理由にすでに発動している関税20%を加え145%にすると“上方修正”しました。
対する中国も11日夕方、合計125%の追加関税を発表。12日に発動すると予告しています。
その上で中国政府は、「この高関税でアメリカ製品は、中国の市場で受け入れられる可能性はなくなった」とし、「アメリカがさらに関税を課しても、中国は無視するだろう」と、これ以上の関税引き上げは行わないとしています。
これに先立ち、中国の習近平国家主席は…。
中国 習近平国家主席(中国・北京 11日)
「関税戦争に勝者はいない。世界と対立すれば、自分を孤立させることになる」
対抗する姿勢を強調しました。“報復合戦”の影響は、映画にも…。
中国国家映画局
「アメリカ映画の輸入本数を適度に減らしていく」
中国国家映画局は10日、アメリカ映画の輸入を減らし、アメリカ以外の映画を積極的に上映する方針を明らかにしました。追加関税に対する報復措置の一環とみられます。
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様々な形で繰り出される“報復”。これ以上、“関税を引き上げない”とする中国に対し、今後、アメリカはどう動くのか? 専門家は…。
──今後のアメリカの動きは?
アメリカ政治に詳しい 明海大学 小谷哲男教授
「トランプ政権としても、これ以上の関税をかけ合う状況は望ましく思っていないと思うので、これ以上中国に対して高い関税をかけることが、マーケットにとっても、アメリカの信用にとってもよくないという判断が働くのでは」
──米中間の関税について
アメリカ政治に詳しい 明海大学 小谷哲男教授
「関税率が100パーセントを超えるのは、やはり異常な事態。貿易をしてもメリットが出ないという状況になってくる。これは事実上の禁輸であって、米中の経済の切り離しに入ってきたということになるのではないか」
「アメリカとしては、中国に対する経済的な依存を限りなく低くしたいので、おそらくトランプ政権としては、この流れは歓迎するべきものだと考えていると思います」
「日本としても今後、米中の貿易に関わる仕事というのは、やりにくくなっていくと思います」
一方、“トランプ関税”をめぐり、交渉担当の赤沢経済再生担当相が17日にアメリカで交渉を行う方向で、最終調整に入ったことがわかりました。交渉でどこまでアメリカ側から譲歩を引き出せるかが、焦点となります。
(4月11日放送『news zero』より)