AIIB 初の融資案件を決定
中国が主導するAIIB(=アジアインフラ投資銀行)の第1回年次総会が25日、北京で開かれ、初の融資案件が決まった。
AIIB初の融資案件は、日本円にして総額524億円にのぼる4つの事業。その中でAIIBが単独で融資するのはバングラデシュの送電網整備事業のみで、残りの3つは世界銀行などとの協調融資。協調融資を積極的に行うことで、早期に運営を軌道に乗せるとともに、融資の基準が不透明との当初からの懸念を払拭(ふっしょく)する狙いもあるとみられる。
中国・張高麗副首相「AIIBが『一帯一路』に沿った国家と発展戦略において積極的に結びつくよう奨励する」
一方、総会では最高指導部の一人、張高麗副首相がこのように述べるなど、今回の融資先は中国とヨーロッパを結ぶ巨大経済圏「一帯一路」の構想上に沿った国々だった。
一帯一路構想をめぐっては、習近平国家主席が今月、ポーランドなど複数の国を訪れ、足場固めを進めている。中国は、AIIBを足掛かりに今後、さらに構想を推し進めるものとみられる。