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ミサイル再び日本通過、北朝鮮の狙いは?

2017年9月15日 19:50
ミサイル再び日本通過、北朝鮮の狙いは?

 北朝鮮が15日午前7時前にミサイルを発射した。中距離弾道ミサイル「火星12型」とみられている。新たな制裁決議が採択された直後にもかかわらず、発射されたミサイル。北朝鮮の狙いとは。


■前回のミサイルとの共通部分は?

 今回のミサイルは15日午前6時57分頃に平壌から発射され、北海道の襟裳岬上空を通過、午前7時16分頃、太平洋上に落下したとみられる。飛距離は約3700キロメートルと推定されている。

 先月29日のミサイルも平壌から発射され、襟裳岬上空を通過した後に落下し、飛距離は約2700キロメートルだった。ともに火星12型の可能性があると言われているが、注目すべきは距離の差で、前回より約1000キロ伸びた点だ。


■制裁と関係なく開発は続く

 今回のミサイルの飛行ルートを南の方向に向けてみると、アメリカのグアムが射程に収まる。北朝鮮はアメリカ軍の重要な基地があるグアム周辺を狙って弾道ミサイルを発射すると予告していた。

 つまり、「自分たちはグアムを攻撃できるんだ」とアメリカを威嚇する狙いがあるとみられている。

 北朝鮮に対しては国連の制裁決議が採択されたばかりだが、それでも北朝鮮はミサイルを発射した。

 その点について、北朝鮮の政治や外交に詳しい慶応大学・礒崎敦仁准教授は「制裁への反発というのはあくまでも口実」で、「アメリカ本土に核ミサイルが届くまで開発を続けるという意志でやっている」「いままで通り、自分たちのスケジュールでやるということを示した」と分析、「制裁とは関係なく開発は続く」と指摘している。


■制裁は効果ない?

 「制裁しても効果がない」とは、必ずしも言い切れない。制裁決議が採択されてから効果が出るまでには時間がかかるし、原油の全面禁輸など制裁を強化する余地も残されている。

 このため、ある防衛相経験者は「全会一致で制裁決議が採択されたにもかかわらず、ミサイルを発射したことは国際社会への挑戦だ」「さらに制裁を強める必要がある」と話し、国際社会が一層圧力を強めるほかないという考えを示している。

 また、「北朝鮮が非核化を表明した上で対話するのが基本だ。非核化するというまでこれは続く」とも指摘している。


■Jアラートが鳴ったら

 一方で、15日朝も12道県にJアラート(全国瞬時警報システム)による発射情報や避難の呼びかけが行われ、携帯電話などに通知が届いた。

 実際にミサイルが着弾しなくても、ミサイルが上空で迎撃された場合には、その破片が落下してくるおそれがある。

 ミサイルが発射されたら約10分で日本に届くので、頑丈でなくても建物の中に入ることが重要で、もし近くに建物がなくても体を隠せるような場所に避難してほしい。

 Jアラートが自分の地域で鳴った時にパニックにならないよう、身を守るための正しい知識を備えておくことが重要だ。