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米朝の交渉で「非核化」は可能なのか

2018年3月22日 21:36

ニュースのポイントをコンパクトにまとめた「深層NEWS ここにフォーカス」。北朝鮮の考え方に詳しい研究者、朝鮮大学校の李柄輝准教授と慶応大学の礒崎敦仁准教授に、アメリカと北朝鮮との交渉で「非核化」は可能かどうかについて聞いた。

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李柄輝氏「(北朝鮮側の主張では)アメリカとの交渉の中で、非核化はあくまでも“出口”なんですね。長いプロセスを経て出口に非核化を持ってくる。これまでトランプ政権は『非核化ありきで対話が始まるんだ』と。この、入り口ではなく出口。これがまず(北)朝鮮側の主張の重要なポイントなんですね。これをアメリカがどう捉えるか、今後のポイントになっていくと思います」
「いままでも、(1994年米朝枠組合意の)ジュネーブ合意、(2005年の)6か国協議の9.19声明などでも、非核化問題と平和体制問題を共にテーブルにのっけて、同時行動原則で最後に落とす、こういうスキームを組んでやってきたわけですから。ただ、この間になかなか両方が意思疎通が上手くいかずに頓挫した経緯がありますので、最後に非核化に持ってくるというのは不可能な話ではないと思っている」

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礒崎敦仁氏「トランプ大統領は、(北朝鮮が)いままでと同じ事を繰り返していたら『また時間稼ぎか』というふうに金正恩政権をたたき始めますから、北朝鮮側はそれをきちんと分析していると思った方がいいわけですよね」
「同じ事の繰り返しか、という批判を受けざるを得ないですから、そうではなくて一気に解決する、北朝鮮のスローガンでもある『一気に』物事をトランプ大統領と解決するための策は何かないか、そういうパラダイムシフト(枠組み転換)が起きる可能性は、今回、あると思いますね」