シリーズ「こどものミライ」夏休みの子どもの昼ご飯どうする 保護者の味方「クラ弁」とは 北九州市
特に一番大変だと感じているのは「夏休みの子どもの昼ご飯づくり」でした。そうした保護者の負担軽減を目指す「クラ弁」と呼ばれる取り組みが北九州市で始まっています。
夏休みの小学校の校庭に、にぎやかな声が響いています。共働きや一人親家庭などを支える“学童保育”施設「永犬丸西 放課後児童クラブ」の子どもたちです。
この学童クラブでは、午前8時半から午後7時まで、毎日130人を超える子どもたちを預かっています。
午前11時。お弁当を抱えた業者さんが次々にやってきました。子どもたちのためのお弁当です。
北九州市は7月、給食のない長期休みの子どもたちに弁当を提供する「クラブ弁当」、略して「クラ弁」を八幡西区、小倉北区、小倉南区のそれぞれ一部で試験導入しました。
■職員
「LINEで登録したら、こういう画面が出てくるので。」
保護者は無料アプリを登録し、日にちと提携する3つの業者から弁当を選び注文します。支払いはアプリ内にチャージしたポイントで行います。
価格は1食450円から500円です。アプリを活用するため、学童保育施設の職員に新たな負担はかかりません。
■永犬丸西放課後児童クラブ・錦戸千晶さん
「お金を扱うのは責任が発生しますので、本当に何もしなくて子どもたちが喜ぶなら、とてもいいです。」
家事代行サービスを行う会社の調査で、子どもが夏休みの間、家事の負担が増えると回答した保護者は8割でした。その中で最も大変だと感じているのは「子どものお昼ご飯づくり」でした。その理由として最も多かったのは「栄養バランスを考えなければいけない」というものでした。
福岡県内の160の幼稚園の給食弁当を製造している、北九州市八幡西区の「のぼる」を訪ねました。7月から北九州市の「クラ弁」を製造しています。
■のぼる 製造本部・中村隆志 本部長
「栄養士のメンバーとメニュー献立を立てて、カロリー、脂質など細かく計算しています。」
この日のメニューはハンバーグのデミソースにカレーコロッケ、春雨サラダなどで、栄養バランスや塩分量などは文部科学省が示す給食摂取基準に準じています。
■子どもたち
「いただきます。」
「おいしいです。ハンバーグ。」
「めっちゃうまい、おいしいです。(親は)朝早く起きる手間がなくなって、とても助かると思います。」
保護者にも聞きました。
■保護者
「朝、バタバタして準備が大変なので、朝かなり楽にはなりますよね。(食中毒対策で)保冷剤を入れたりしていますが、限界があるかなと思うので心強いです。」
「帰ってからも、頼んだ弁当の時は『きょうはどうだった』という会話ができて、作る弁当だったら『早くお弁当箱出して』ってなる。会話が和やかになるのでよかったなと思います。」
北九州市によりますと、1日平均300食の注文があるということです。
■北九州市 子ども若者生育課・北崎 賢さん
「お弁当の準備の時間を、もっと子どもさんと対話できるような時間に割いていただだきたいと考えています。」
子どもが夏休みの間の保護者の負担軽減を目指す「クラ弁」という新たな取り組み。北九州市は今後、市内全域での本格導入を目指します。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年8月15日午後5時すぎ放送