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中露研究の専門家が語る米朝首脳会談の行方

2018年5月22日 21:02

ニュースのポイントをコンパクトにまとめた「深層NEWS ここにフォーカス」。中国とロシア研究の専門家による、来月に行われる予定の米朝首脳会談の行方について。

拓殖大学 海外事情研究所・富坂聡氏「北朝鮮はアメリカにとってのお土産というよりもトランプ政権に対するお土産というものをドーンと出してくるような気がする。“体制保証”というのは信用できないというところがある。大国からいくら口で約束されても。そうすると、ガーッとアメリカに寄っていっちゃった方が楽だというのがあるんですよ。その選択肢というのはたぶん中国はいま頭に入れていると思う」

「92年の“クロス承認”でいきなり韓国と中国がバーッと仲良くなったみたいな、その逆のパターンでアメリカと北朝鮮が寄っていくということも考えている。(北朝鮮にとって)一番、体制の維持ということでは楽なことだし、経済発展にも寄与するし、(半島)統一を見据えても一番近道になる。こじれてなかなかガチッとはいかないとは思うけど、きれいにする何かを北朝鮮が持っていると、一足飛びにスッと行く可能性がある」

未来工学研究所・小泉悠氏「体制保証がなかなか確信できないと、北朝鮮も簡単に核を捨てられないんじゃないかという気がする。最終的に自国の生存を担保するような軍事力は持っておきたい。とすると、今回の米朝首脳会談でそんなに大きな進展はなく、政治的に何か大きなお土産だけを作って実質的な核の放棄は相当先になるみたいなシナリオの方が高いんじゃないかなと思っている」

「いきなり首脳同士が会ってどこまで実効的なことが決められるのか。『(核を)廃棄します』と言うのは簡単かもしれないけど具体的に破棄って何なんですかというのはすごく難しい」