中国への配慮見せる国も相次ぐ ASEAN関連外相会議閉幕
ASEAN=東南アジア諸国連合の関連外相会議が27日閉幕しました。一連の会議では中国の南シナ海進出の問題も議論されましたが、中国への配慮を見せる国も相次ぎこの地域への影響拡大が浮き彫りとなりました。田中記者の報告です。
27日までラオスで開かれたASEAN関連外相会議。一連の会議の最大の焦点は中国とフィリピンが対立する南シナ海の問題でした。日米や中国など関係国も参加した会議では日本が中国を念頭に自制を求めるなどフィリピンに加勢。中国も「根拠なき非難だ」と反論し火花を散らしました。
一方で本来、フィリピンのいわば“仲間内”であるASEANは対応が割れました。ASEAN外相が採択した声明では「地域の平和、安全、安定が損なわれる可能性があることについての懸念」を表明したもののフィリピンが求めた中国への具体的な批判は議長国ラオスなどの反対で盛り込まれなかったということです。
浮き彫りとなった中国への配慮。その背景にはラオスなどで中国への経済的な依存が急速に進んでいることがあります。
田中記者
「ラオス語と、英語よりも大きく中国語が書いてあります」
2年半前に開通したラオスと中国を結ぶ高速鉄道。中国の鉄道システムをそのまま取り入れたものです。
車両の中も…
田中記者
「中国のカップ麺」
ラオスの鉄道なのに中は中国の列車そのもの。
中国メディアによりますと2年半で2000万人以上が利用したといい中国企業などのラオス進出にもひと役買っています。
中国はラオスと関係を強める目玉プロジェクトとアピールしていますが建設費用の7割は中国からの借金。返済できなくなり中国に差し押さえられる「債務の罠」の懸念もささやかれています。
今回の一連の会議でも中国依存に揺れるASEANの姿が浮き彫りとなりました。米中のはざまでどう一体感をたもっていくか岐路に立たされています。