韓国の文在寅大統領は８日、北朝鮮の金正恩委員長が近くロシアを訪問するとの見通しを示した。金委員長はいつごろロシアを訪れることになるか？　国際部の玄昶日デスクが解説する。

金委員長のロシア訪問は、年内にも実現する可能性がある。金委員長は先月、平壌を訪れたロシアのマトビエンコ上院議長に対し、「ロシア訪問の時期や場所について打ち合わせを始める」と述べている。また、北朝鮮で対米外交を担当する崔善姫外務次官がモスクワ入りしていて、８日、ロシア側と協議を行う見通しで、金委員長のロシア訪問についても話し合うものとみられる。

北朝鮮にとってロシアは、国連の制裁を緩和すべきだと主張してくれている友好国で、環境やタイミングが整えば、年内にも実現することになりそうだ。金委員長としては、２回目の米朝首脳会談に有利となるタイミングを探っているとみられる。

金委員長は７日、平壌を訪れたアメリカのポンペオ国務長官と２回目の米朝首脳会談について話し合った。これについて、労働党の機関紙・労働新聞は８日、「目標達成に向け、金委員長が必ず大きな前進を実現すると述べた」と伝えていて、金委員長としてはトランプ大統領との再会談に強い意欲を示した形。

２回目の米朝首脳会談は、アメリカで来月６日に行われる中間選挙の前後にも開かれる可能性が指摘されている。金委員長としては、ロシアを訪問して友好関係を強調することが、アメリカとの交渉において有利に働くのか、そうだとすればいつ訪問するのが最も良いタイミングなのか、これらを考えて初めてのロシア訪問を決断することになりそうだ。