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“新たな制裁関税を90日間猶予”米中合意

2018年12月2日 19:34

アルゼンチンで開かれていたG20首脳会議に合わせ、1日、米中首脳会談が行われた。激化の一途をたどっていた貿易戦争だが、アメリカが、中国に対する新たな制裁関税を90日間、猶予することで合意した。

米中は、問題の抜本的な解決には至らなかったものの、当面の対立の激化は回避した形。

トランプ大統領「重要な会談だ。双方にとって良い結果を得られるだろう」

習近平国家主席「我々の協力が世界の平和と繁栄の推進に極めて有益になる」

両首脳は会談の冒頭、合意に向け期待感を示した。会談は2時間半に及び、ホワイトハウスによると、アメリカは来年1月に予定していた中国への制裁関税の引き上げを一時、見送ることで合意した。代わりに中国はアメリカの農産物などの輸入を拡大するほか、技術移転の強要や知的財産権の侵害など、構造改革について交渉に応じるという。ただ、90日以内に合意に達しなければ、アメリカは関税の引き上げを実施するとしている。

帰路についたトランプ大統領は、「中国がものすごい量のアメリカ製品を買うことになる」と成果を強調したが、米中間の溝は埋まっておらず、緊張の火種は残ったままだ。

一方、G20首脳会議は1日、首脳宣言を採択して閉幕した。しかし、去年は盛り込まれた「保護主義と闘う」という文言がアメリカの反対を受け、削除された。

次回は来年、日本で開催されるが、アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領と、それを懸念する各国首脳の意見をどう取りまとめるのか、日本のリーダーシップが試される場となる。