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韓国外務省「日米韓の連携を持続する」

2019年8月24日 0:17

韓国政府は23日、日本政府に対し、GSOMIA(=軍事情報包括保護協定)の破棄を正式に伝えた。ソウルから原田記者が最新情報を中継で伝える。

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GSOMIA破棄による影響で最も懸念されるのは、北朝鮮をめぐる対応だ。こうした懸念を意識してか、23日夜、韓国の外務省は新たなコメントを発表した。

その中で韓国側は、「北朝鮮の核・ミサイルの威嚇に対応するため、日米韓3か国の連携を持続する」とした上で、「影響を最小化するように最善を尽くす」と強調した。

しかし、保守系の韓国メディアは、軍や安全保障担当の関係者の声として、「韓国のレーダーでは日本海の監視に限界がある」「日本は韓国にない偵察衛星を多数運用していて、GSOMIA破棄は自殺行為だ」などと伝えている。

GSOMIA破棄について、23日も、韓国では様々な動きがあった。午後3時半頃、韓国外務省は、日本の長嶺駐韓大使を呼び、GSOMIAを延長せず破棄すると正式に伝えた。韓国外務省は、対話を持続するということが重要だという点で一致したと発表しているが、日本の外務省関係者によると、長嶺大使はその場で厳しく韓国側に抗議したという。

22日の発表前までは“延長”という観測が流れていた中で、文政権が最終的に破棄を決めた背景には、日本との問題が、韓国国内向けの論理で動いているという側面もありそうだ。

韓国メディアによると、GSOMIA破棄を決定した会議でも、国防省の高官らが延長の必要性を強く主張していたということで、政権内でも意見が割れていた。

そうした中で、来年の春には、今後の政権運営を占う総選挙を迎える。

文大統領としては、日本への強硬な対応を求める革新系の支持層を意識せざるをえなかったという見方も出ている。