ICCがネタニヤフ首相らに逮捕状…イスラエルやアメリカ反発
ICC=国際刑事裁判所が21日、戦争犯罪や人道に対する犯罪の疑いでイスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を出したことに対して、イスラエルやアメリカは反発しています。
パレスチナ自治区ガザ地区への攻撃をめぐり、ICCは21日、戦争犯罪などの疑いでイスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相に逮捕状を出しました。
逮捕状を受け、イスラエル政府は、「去年10月に、ハマスが最大規模の虐殺を行ったときから、イスラエルがガザ地区で行っている戦争ほど正当な戦争はない」と反発しています。
また、アメリカ・ホワイトハウスの国家安全保障会議の報道官は21日、ICCの決定について、「根本的に拒絶する」と表明しました。声明では「検察官が逮捕状請求を急いだことや、手続き上の誤りについて深く懸念している」と述べ、イスラエルと次のステップについて協議しているとしています。
一方で、イスラム組織ハマス側は、「重要な歴史的先例であり、我々への長きにわたる歴史的不正義の是正だ」とし、ネタニヤフ首相への逮捕状を歓迎しています。
しかし、イスラエルはICCに加盟していないため、実際に逮捕される可能性は低いとみられます。また、ことし9月には、逮捕状が出ているロシアのプーチン大統領がモンゴルを訪問しましたが、モンゴルはICC加盟国でありながら逮捕しませんでした。ICCのカーン検事は21日、すべての加盟国に司法命令を順守するよう声明を出しました。
ICCは、イスラエル側が殺害したとする、ハマス軍事部門トップ・デイフ氏に対しても逮捕状を出していますが、ハマス側はコメントしていません。