USスチール買収は大統領判断へ…日本製鉄「熟慮を強く要望」
アメリカ・メディアは日本製鉄による「USスチール」の買収計画を認めるかどうかの審査が行われたものの結論が出なかったと報じました。最終判断は、バイデン大統領に一任されることになります。
ワシントンポスト紙は23日、日本製鉄による「USスチール」の買収計画について、対米外国投資委員会が買収計画の安全保障上のリスクについて「一致した結論に至らなかった」とホワイトハウスに伝えたと報じました。今後は、バイデン大統領が買収を正式に阻止するかどうかの最終判断を15日以内に下すことになるとしています。
バイデン氏はこれまで、USスチールは「完全にアメリカ企業であり続けるべき」と発言するなど、買収に否定的な立場をとっています。
アメリカメディアは「大統領は買収を阻止するだろう」との見通しを示したうえで、「アメリカが長年、築き上げてきた開かれた投資文化からの逸脱だ。アメリカ経済に長期的な影響を及ぼす可能性がある」などと伝えています。
一方、日本製鉄は24日午前、「対米外国投資委員会から買収に関する判断が全会一致に至らず、バイデン大統領の決定に委ねられたとの報告を受けた」とした上で「日本製鉄とUSスチールはこの買収が承認されるものと強く信じている」とのコメントを発表しました。
その上で、「これまでの様々な提案が、USスチールを成長させ、アメリカの鉄鋼業界全体を強くし、国家安全保障を強化することなどを大統領が熟慮することを強く要望する」としています。
日本製鉄は去年12月に買収計画を発表し、USスチールの雇用を守ることや、日本からアメリカに鉄鋼製品を持ち込まないことなどを繰り返し強調してきています。