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最悪の被害想定『冬の夜』 避難を妨げる“雪”と体力を奪う“寒さ”に豪雪に見舞われた雪国はどう向き合う?【東日本大震災から14年】 #知り続ける

2025年3月10日 19:43
最悪の被害想定『冬の夜』 避難を妨げる“雪”と体力を奪う“寒さ”に豪雪に見舞われた雪国はどう向き合う?【東日本大震災から14年】 #知り続ける

あすで東日本大震災から14年です。
命を守るための対策3回目のきょうは「冬の夜」の避難です。
最も被害が大きくなるとされる冬の夜に災害が起きた場合、どんな対策や備えが必要になるのか考えます。

もし冬の夜に地震や津波が起きたとしたら?
午前0時まえ、冬の深夜に巨大地震が発生し大津波警報が発令されたという想定で、東通村の住民たちが避難訓練を行いました。
岩屋地区には津波の第1波が地震発生から44分後に到達すると予想されるなか、住民たちは時間内に避難しました。

★参加した住民
「冬になってからはあまり歩かないから」
「滑るのだけ注意して早足で来たので雪がなくて良かった」

最悪の被害が想定されているのは仕事帰りなどで市街地に人が多く出る「冬の午後6時」です。
県全体の犠牲者は最大5万3,000人、そのうち犠牲者の9割が津波が原因とされています。

命を守るためにはいかに早く逃げるかが鍵を握ります。
ただ早い避難を妨げるのが雪や凍結路面、それに寒さです。

この冬、豪雪に見舞われた青森市で専門家が地震への備えを呼びかけました。
雪が多い地域での避難について…。

★弘前医療福祉大学短期大学部 立岡伸章教授
「道路に雪の壁が出来ていますよね 地震によって崩れる可能性も出てきますので、避難経路が雪で閉ざされていないかとかそういったことも考えなくてはいけません」
「必ずヘルメットを装着し、安全な道を選ばなくてはいけない」

暗い夜の避難に大切なのが…。

★弘前医療福祉大学短期大学部 立岡伸章教授
「ハンドライト、懐中電灯です」

★菅原厚キャスター
「懐中電灯を実際に照らしてみます これだと雪の壁の状況とか道の状況もすぐわかりますので視界が開けますね」

★弘前医療福祉大学短期大学部 立岡伸章教授
「また明るいというのはほかの人からみて、あそこに人がいるとか万が一のときにもシグナルとして発することができる」

県内に312か所ある指定緊急避難場所。
津波など危険が切迫したとき最初に避難する場所です。

★菅原厚キャスター
「六ヶ所村の高台にあるこちらの公園は緊急時の避難場所に指定されているんですが、その公園内に休憩所があります」

指定緊急避難場所は、ほとんどが屋外で冬は防寒対策が課題です。
六ヶ所村が整備した休憩所には最大100人が収容可能で暖房設備に毛布や簡易トイレ、折り畳みベッドが備蓄されています。
非常用電源も完備され停電時にも2日ほど稼働しますが、その後は避難所に移動が必要です。

★六ヶ所村原子力対策課 番地一也 課長補佐
「まずはここにみなさん避難していただいたあとは村からスクールバスとかを準備しますので、そちらに乗って避難所に避難して頂く」

冬の避難所で課題なのが…。

★弘前医療福祉大学短期大学部 立岡伸章教授
「やはり真冬になりますと低体温症による2次被害が増加してしまいまして、災害関連死のリスクが高まってきてしまいます」

青森市は避難所での寒さ対策として毛布を増やし1万4000枚、段ボールベッド2500個のほか石油ストーブなども備蓄しています。
災害時、青森市の避難者は最大で11万6千人と想定されています。

★青森市 鈴木健仁 危機管理監
「寒さ対策というのは市民のみなさまの命を守る大切なものなので、市としてもできる限り逐次、拡充していきたい」

いつ起きるかわからない災害で命を守れるかどうか。
まずは私たち自身の行動にかかっています。

★青森市民
「雪によって災害の規模が大きくなるということはこれから意識していかないといけない」
「自分でできることは自分でやる自助が大事だと思います」

★弘前医療福祉大学短期大学部 立岡伸章教授
「まずは自分自身の身の安全をどう守るか、それに冬という気象条件、それをプラスアルファした知識とスキルの両方を身につけておくことが大事だと思います」

雪や寒さが立ちはだかる冬の避難。
命を守り抜くためには普段の備えから、雪国ならではの一歩踏み込んだ対策が求められます。

最終更新日:2025年3月10日 19:43
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