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北朝鮮、深夜の軍事パレード 一体なぜ?

2020年10月23日 16:31
北朝鮮、深夜の軍事パレード 一体なぜ?

知っておきたいデータや情報をひもとく「input」。今回は、ひと味違った視点から北朝鮮の今を分析する“NKウォッチ”、「北朝鮮の朝鮮労働党の創立記念日に行われた軍事パレード」について。ソウル支局の河中記者に聞いた。

今年の軍事パレードは異例な点がありました。これまでは日中に行われ、生中継されていたんですけれども、今回は未明に行われ、放送があったのはその日の夜になってからでした。

新型のICBM=大陸間弾道ミサイルに加え、新型のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルなどが公開されましたが今回注目したいのはパレードの撮影や演出面についてです。

――一見、オリンピックの開会式かのような派手な演出もありましたね。

詳しく見るとその撮影や編集についてもこれまでにない手法がとられていたんです。

まず、こちらのシーンです。国旗掲揚に向かう様子を追いかけるように高い位置から撮影しています。

そして映像が切り替わりますと…このように空飛ぶ物体が映り込んでいるんですね。何だと思いますか?

――これはドローンでしょうか?

そうなんです。おそらくこれが先ほどの映像を撮影していたドローンだとみられます。今回はこのドローンを使ったとみられる映像がたびたび使用されました。

次にこちらの映像です。戦闘機が上空を飛んでいますが…突如、機内で操縦士が敬礼する様子が映ります。機内の映像ですね。

そしてこちらは戦闘機の目線に近い映像です。

――これはどのように撮影しているのでしょうか。

機体の内と外にそれぞれ小型カメラを設置しているとみられます。

そして、再び国旗掲揚のシーンをみてみます。兵士たちが映っているんですが、この後注目です。

突然、農家とみられる人など一般の人たちが登場するんです。国旗掲揚が行われている方向を見つめているという設定だとみられます。

「ここにはこういう映像を入れ込む」と事前に放送で使う映像の順番を決めて撮影しているものとみられます。別の日時に撮影している可能性もあります。この短いシーンを効果的に入れ込むことでパレードが政権幹部や軍人だけではなくて、一般国民を含めた国全体のイベントだと印象づけたい狙いがあったのかもしれません。そして、未明の開催でその日の夜にはこのように作り込まれたVTRにまとめてくる編集技術も高いと思います。

――こういったことをする狙いは何なのでしょうか。

金委員長は今年8月に党の創立記念日は「特色あるものにするように」と指示しています。

その指示を受け夜間の開催となった軍事パレードを「撮影と編集」でより際立たせたものとみられます。

北朝鮮は来年1月の党大会までに今年相次いだ大雨被害からの復旧などを完了させるとしています。

異例の「撮影と編集」の裏には特色あるパレードをより効果的に国内に知らしめ、国民の士気を高める狙いがあったとみられます。

【the SOCIAL inputより】