×

“トランプ関税”の影響すでに 中国・格安ブランド「SHEIN」支える現場は…

2025年2月20日 20:09
“トランプ関税”の影響すでに 中国・格安ブランド「SHEIN」支える現場は…

格安商品が人気のファッションブランド「SHEIN」に、“トランプ関税”の影響が指摘されています。格安ファッションを支える現場では、戸惑いの声が上がっていました。

   ◇

日本でも多くの若者が利用しているという中国発のファッションブランド「SHEIN」。

「SHEIN」利用者
「スマホケースSHEINで買いました。100~200円くらい」

「SHEIN」利用者
「バッグ買いました。1000円ちょっとです」

格安で豊富なアイテムをネット通販で展開。世界150か国以上に商品を発送しています。

   ◇

景気が冷え込む中国。上海で最大級の衣料品卸売市場では閑古鳥が鳴いていました。

販売員
「ネット通販の影響で、実店舗にはあまりお客さんが来ません」

一方、にぎわっていたのは広東省広州にある「SHEIN村」と呼ばれる地域です。

渡辺容代記者(中国・広東省広州)
「こちら縫製工場など繊維業が集まる地域なんですが、ミシンの音も聞こえてきますね。非常に活気があります」

この地域では500社以上の業者が「SHEIN」と契約。ここ数年、「SHEIN」からの注文が相次いでいるということで、工場の求人広告も数多くたてられていました。

「SHEIN」を急成長させた一因は、低価格商品が免税の対象となる各国の関税の仕組みを利用し、商品を格安のまま輸出できたことです。物価の上昇が続くアメリカでは、2023年の売り上げが約1兆2000億円と、ネット販売のアパレル部門でアマゾンなどに次ぐ3位となっています。

しかし今、その勢いに陰りがでています。

「SHEIN」に納品する工場経営者
「ここにいる数人だけで工場を回しています。関税が影響しています、一気に10%も上げるから。作ってももうからないなら、作らないでしょう」

アメリカのトランプ大統領は2月に中国からの輸入品に対し10%の追加関税を発動しました。「SHEIN」も大口の取引に影響が出始め、業者への発注が減ってきているといいます。

「SHEIN」に納品する業者
「SHEINはもともと単価がとても安いから、数で勝負しているんです。関税がかかれば影響は大きいですよ」

さらに、トランプ大統領はこれまで関税が免除されていた800ドル未満の輸入品についても、その措置を撤廃する方針を示していて、小口の取引への影響拡大が懸念されています。

「SHEIN」に納品する業者
「この業界はもう、もたないでしょう。かなり倒産すると思いますよ。このままだと絶対たくさんつぶれます」

「SHEIN」と同様の格安通販サイト「Temu」にスマホ関連商品を販売する業者も、危機感をあらわにします。

「Temu」に商品を販売する業者
「関税がかけられると商品コストが上がる。それによって競争力が下がります。もし本当に関税が上がるなら、ほかの(アメリカ以外の)国の市場を積極的に開拓するほかない」

   ◇

厳しい状況に置かれた中国の格安通販サイト。アメリカメディアによると、「SHEIN」は関税対策として取引業者に生産拠点を中国からベトナムに移すことを求めているといいますが、零細企業からは…

「SHEIN」の取引先
「私たちのような小規模工場にそんな体力はない」

すべての国が対象となりうる「トランプ関税」。早くも影響が出始めています。

最終更新日:2025年2月20日 20:09
    24時間ライブ配信中
    日テレNEWS24 24時間ライブ配信中
    logo

    24時間ライブ配信中