貨物船衝突で橋“崩落” 被害抑えられたワケ アメリカ
アメリカ・メリーランド州で26日、橋に貨物船が衝突し橋の一部が崩落した事故で、地元当局は行方不明になっていた6人が死亡したと推定されると発表。捜索活動は一時停止し、復旧作業に移るということです。
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アメリカ・メリーランド州ボルティモア。26日の未明、橋へと近づいていくのは大型の貨物船です。すると船が支柱に衝突し、橋は一気に崩れ落ちてしまいました。
崩れたのは1977年に開通した「フランシス・スコット・キー橋」。全長約2.5キロで、首都ワシントンとニューヨークを結ぶ主要な交通路の一つとなっている橋です。
橋を利用する人
「隣人が『橋が崩れている』と電話で知らせてくれました。地震だと思って駆けつけて、確認したそうです。私も確認に来ましたが信じられません。いつもこの道を使っているんです」
地元当局などによると、橋の上で道路の修復をしていた作業員6人が行方不明に。しかし…
地元当局など
「捜索時間の長さや水温を考えれば生存したまま発見できるとは思えない」
6人は死亡したと推定されるとして、捜索活動は一時停止。復旧活動に移るということです。
橋に衝突したのは、シンガポール船籍の貨物船「ダリ」号。ダリ号の乗組員は衝突の前、「電気系統の問題」や「船を制御できなくなった」と知らせる通報をしていて、当局は一般車両の進入を停止。人的被害が抑えられたとしています。
また、懸念されているのが物流への影響です。アメリカメディアによると、橋が架かっていたボルティモア港は、去年の自動車・小型トラックの輸出入が85万台で、全米トップを記録。
日本への影響について、物流・貿易研究所の木村徹さんは「ボルティモアは日本から北米向けの輸出の入り口のため、自動車や食品などの輸出が滞る可能性がある」と話しています。