北朝鮮の金正恩総書記は韓国の文在寅大統領に親書を送り、文大統領の南北関係改善の努力を高く評価すると賛辞を送りました。政権交代を目前に控えた韓国側を揺さぶる狙いがあるものとみられます。

朝鮮中央通信は22日、文大統領からの親書に返答する形で21日、金総書記が親書を送ったと報じました。

金総書記は親書で「任期の最後まで民族の大義のために気遣った文大統領の苦悩と苦労を高く評価する」と称賛しました。

その上で、「努力を傾ければ北と南の関係は民族の念願と期待に合わせ改善する」との考えを共有したということです。

一方、韓国大統領府も今回の親書の交換を認めました。文大統領は「南北の対話が希望した所に至らず残念だ」と伝え、早期にアメリカと北朝鮮の対話が再開することに期待を示しました。

北朝鮮側としては任期が迫った文大統領を持ち上げることで、北朝鮮に強硬な姿勢を示す尹錫悦次期政権をけん制する狙いもあるものとみられます。