韓国で旅客機炎上 原因はバードストライクか“警報”直後に緊急事態知らせる信号 空港で不安の声も【バンキシャ!】
29日、韓国・務安の空港で旅客機が着陸に失敗し、炎上しました。乗客・乗員181人のうちこれまでに160人以上(OA時点)の死亡が確認されています。バードストライクが原因との見方が出ています。【バンキシャ!】
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事故直前の旅客機をとらえたとみられる映像からは、上空を飛ぶ機体の片側のエンジンから炎が噴き出したようにみえる。
トラブルがあったのか旅客機は胴体着陸し、滑走路を進んだ。そして、スピードを落とさずに滑走路の先の壁に衝突した。あたりは炎、そして黒い煙に包まれる。
撮影者
「大変だ」
別の映像には、黒煙が空に向かって激しく立ち上る様子が映っていた。
撮影者
「どうしよう」
その高さはあっという間に、遠くからでも確認できるほどになった。駆けつけた消防隊が一斉に放水を行うが、機体は激しく燃え続けていた。
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事故が起きたのは韓国南部の務安空港。済州航空が運航する旅客機は乗客・乗員181人を乗せ、タイのバンコクからこの務安空港に向かっていた。
火がおさまったあと、黒く焼け焦げた機体の周りに集まる救急隊員。
この事故で乗客・乗員181人のうち2人が救助され、病院で手当てを受けている。一方で、これまでに確認された死者は160人以上(OA時点)となっている。地元の消防は搭乗者の多くが機体の外に投げ出され、安否不明者のほとんどは亡くなっているとみているという。
事故のあと、務安空港のターミナルには、乗客の家族などが集まっていた。年の瀬に起きた、凄惨な事故。何が起きたのか──。
29日午後3時頃、韓国当局が会見を開いた。
韓国当局
「(着陸前)管制塔から旅客機に“鳥類衝突”の警告をしていた。その直後、操縦士がメーデーを宣言した」
空港にさしかかり旅客機は着陸を試みた。そこに管制塔が鳥の衝突、つまり“バードストライク”の危険があることを伝える警報を発出した。その直後、操縦士から“緊急事態を知らせる信号”が出されたという。
また韓国メディアによると、事故現場から救助された乗務員は“バードストライク”が事故原因だと推測。「片方のエンジンから煙が出た後、(エンジンが)爆発した」と証言したという。
エンジンに鳥が衝突したとすると、その後、機体に何が起きたのか。専門家は──
航空評論家・小林宏之氏
「エンジンの周りに油圧ポンプがある。飛行機は全部油圧でコントロールされている。油圧がなくなると、操縦系統もできない、着陸装置もおろせない、ブレーキもきかない。(エンジンの爆発が)今回は油圧の方まで影響してしまって、結果的に着陸装置を下ろすこともできなくなった。そして(減速するための)フラップも出ていない。そしてブレーキもきかなかった可能性」
発生からおよそ4時間後の成田空港に、事故を起こした済州航空の旅客機がソウルから到着した。機体も事故を起こしたのと同じ、ボーイング737-800型機だ。この旅客機で韓国から日本に帰ってきたという人に話を聞いた。
韓国ソウルから帰国した人
「(韓国の)空港に着いてから、スマホのインターネットニュースで(事故について)知りました。不安がないわけではなかったが、何回も乗っているので何もないことを祈って」
──機内で航空会社から連絡は?
韓国ソウルから帰国した人
「事故についてですか?それはなかったです。いつもと同じ案内だったと思う」
韓国の祖母の家から帰ってきたところだという小学生2人にも話を聞いた。
──事故があったというのは?
帰国した小学生
「普通に飛行機に乗っていて、妹は寝ていて、何事もなかった」
迎えにきた母親は──
迎えにきた母親
「空港に着いて(飛行機が)おりてくるのを待つ間に、ネットで事故があったというのを見て。自分が予約者じゃないので 連絡はとくに会社からはなかった」
──子供たちへの心配は?
迎えにきた母親
「すごくありました。怖がっていないといいなと思っていたんですが、無事帰ってこられてよかったです」
今回の事故を受け、済州航空は「被害に遭われたすべての方々におわび申し上げます。事故収拾のためにあらゆる努力を尽くします」とコメント。
また、事故が起きた旅客機を製造したアメリカのボーイング社は「済州航空と連絡を取り合っている」としている。
(12月29日放送『真相報道バンキシャ!』より)