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【総勢32人!】熊本の“岸さん一家” 子育ても介護も「その時にできることを精いっぱい」『every.特集』

2024年1月27日 19:30
【総勢32人!】熊本の“岸さん一家” 子育ても介護も「その時にできることを精いっぱい」『every.特集』

体育館を借り切って運動会をしていたのは熊本の大家族、岸さん一家。

子どもは10人、孫は17人にそれぞれの家族も加えて総勢32人。おばあちゃんが元気なうちにと集まった。大家族の父・英治(えいじ)さん69歳と母・信子(のぶこ)さん68歳の子育てのモットーは「その時にできることを精いっぱい」

私たちが、取材を始めたのは24年前。夕食は業務用の機械でたこ焼き作り。家族の髪はお父さんがカット。でも、子どもたちからは「技術はあるけれど、センスないからちょっと」との声も。ただ、センスはなくても愛情いっぱい。結婚41年のおしどり夫婦。お金はないけど、笑顔がある。子どもの数だけ夢がある。

そんな大家族の人生は、苦難の連続だった。

2010年には自宅が火事で全焼。それでも何とか頑張って家を再建した。

しかし、2016年には熊本地震が起き、自宅にも被害が出た。

さらに、2020年には信子さんが脳梗塞に。後遺症はほとんど残らず済んだものの、このときはコロナ禍。お見舞いには行けず、英治さんと一緒になれるのは写真の中だけ。でも、信子さんは笑顔で「窓越しのやりとりがちょっとときめいた」と話す。どんなときも笑顔の岸さん一家。

末っ子の不動さんは22歳になり、社会人1年目。子どもたちも自立し、夫婦水入らずの生活…かと思いきや、またまた大きな問題に直面した。

それは、信子さんの母の介護。家族が増えていく岸さんチをずっと見守ってきた92歳の永柄(ながえ)ミツ子さん。いまでは足腰が弱くなり、歩行器が欠かせなくなっていた。時には、突然転ぶこともある。耳も遠くなり、話がかみ合わないことが増えてきた。

さらに、話していると突然怒り出すことも。自分の物がなくなった時に、家族を犯人扱いすることがあるという。「お母さんが勘違いしただけでしょう」と信子さんが言うと、「人をボケ老人のように言うな!」と怒ることも。そうかと思えば、すぐにニコニコして買い物に行こうと声をかけてくるそう。

いま、信子さんの支えになっているのは介護の計画などをつくるケアマネジャーだ。ケアマネジャーによると、否定するとその人が考えた全てを否定されると感じるそうだ。

例えば「自分で起きて準備してくれたね」「着替えしてくれたね」などと、自分の意見だけを押し付けるのではなく、本人のいいところを見つけて声をかけるとよいと話す。

そんなミツ子さんだったが、去年11月、体調が急変。脳のまわりに血液がたまる「慢性硬膜下血腫」と診断された。入院の必要はないものの自宅で介護は難しく、施設に入所することに。

突然の入所から3週間あまり。信子さんと二男、五男がミツ子さんの元に面会へ。

3人一度に面会できないため、まずは信子さんから。おばあちゃんの動画を撮影して家族に送ることに。ミツ子さんにカメラを向けると「おばあちゃんも元気よ~。えい、えい、おー」と笑顔を見せた。

「顔を出せば喜んでくれるから、できる限り顔を出してって感じ」

「普段通りで特別なことしなくて、変化に対応できる私になれればいいですね」と信子さんは話した。

介護も子育てに似ているという。今後も「できるときに、できることを精いっぱい」

※詳しくは動画をご覧ください。(2024年1月26日放送「news every.」より)