衣替えシーズン 電気・石油価格上昇でクリーニング代にも“値上げの波”
衣替えシーズンを迎えましたが、値上げの波がクリーニング代にも及んでいます。石油価格上昇の影響を受けて、すでに今月、値上げに踏み切ったお店もありました。
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東京・江戸川区にあるドラッグストア「くすりの福太郎」で女性客が香りを確認していたのは、アロマの柔軟剤です。
お客さん
「(柔軟剤)使わないと、洗濯物がごわついた感じで」
お客さん
「(柔軟剤は)香りと肌触りとシワになりにくい」
衣替えシーズンの今、デリケートな衣類を家で洗濯するおしゃれ着洗剤や柔軟剤がよく売れているといいます。
ここ数年、進化を遂げていて、香りが長く残るものなどが人気です。
しかし、ここにも値上げの波が…。花王は今年の春、衣料用洗剤を値上げする方針を明らかにしています。
国内最大手の花王が値上げすれば、他のメーカーにも影響を与える可能性もあります。
東京・世田谷区にあるコインランドリー「Odakyu Laundry 経堂店」では、衣替えシーズンとなる今月が、1番の繁忙期となります。
お客さん
「季節の変わり目もあるんですけど、大きなリネン類を洗いましたので」
今、お店が頭を抱えていたのが――
小田急不動産・ソリューション営業部 日野将也さん
「電気代の高騰によって、ランニングコスト(運転資金)が圧迫されてきているというのはあります」
洗濯・乾燥機などを動かす電気代が去年に比べ、5%~10%値上がりしているといいます。
さらに――
日野さん
「この中から各機に洗剤が投入されています」
この洗剤も原油価格高騰の影響を受け、値上がりの可能性があり、窮地に立たされていました。
日野さん
「正直なところ『(料金の)値上げをしたい』という思いはありますけれども、(地域に)少しでも貢献できるようにと思って、値上げせずに企業努力の中で頑張らせていただいています」
すでに、今月、値上げに踏み切ったお店もありました。
クリーニング大手の「白洋舍」が、原油価格の高騰などを受け、今月1日より、平均で15%値上げしました。
衣替えで大忙しのクリーニング店「コバヤシランドリー」でも――
コバヤシランドリー 小林史明代表取締役
「今回は苦渋の決断ということで、先月クリーニング代の方を全体的に5%~10%値上げさせてもらいました」
先月から、ワイシャツなどほぼすべてのクリーニング代を5%から10%値上げしました。値上げの理由は――
小林代表取締役
「今年に入ってから、ほぼほぼ石油製品に関わるもの値上げになりましたね」
ドライクリーニングで使用する溶剤や、ハンガー、衣類を包む袋など、店の多くのものに石油が使われていて、去年に比べて10%ほど価格が上昇。さらに、シワを伸ばすプレス機に使うガスも約10%値上がりしました。
小林代表取締役
「これも、これも、あれも、みたいな感じで値上げが止まらないですよね」
店にとっても、利用客にとっても、厳しい値上げの春となっています。