【闘う学芸員】博物館の存続を!子どものため奔走する61歳"広告塔"の奮闘 『every.特集』
化石や動物たちの骨格標本を展示する、長野市立戸隠地質化石博物館。33年間この場所で学芸員として過ごしてきた、61歳の田辺智隆さんは、時折、ほら貝を吹いて入館者を楽しませる。
「こんなにお客さんにほら吹く学芸員はいない」と話す田辺さん。入館者は1日平均30人程度、冬場には0の日さえあるという山の小さな博物館に、なんとか足を運んで欲しいと、日々奮闘している。
時には、ヘルメット姿で、博物館の屋上に上がり、自ら雨どいのメンテナンスすることも。少しでもコストをかけずに博物館を長持ちさせたい、という思いからだ。
予算が少なく自分たちで管理をしなくてはいけない現状。節約のため、真冬でも館内の暖房は切られたまま。市から運営費の補助が少なからず出ているものの、ほとんどは光熱費や建物の維持管理などに充てられ、新たな展示資料の購入すら厳しいという。
そうした中、長野市が示したのは、山間部の入館者が少ない7か所の博物館を、市街地の本館などにまとめるという方針。山の小さな博物館は、無くなってしまう可能性があるのだ。
そこで、田辺さんは、博物館が戸隠にあるからこそできることがあると孤軍奮闘。
博物館近くの崖で、子どもたちに化石掘りをさせ、“ホンモノ”に触れさせることで、
喜びや、好奇心の芽を育てたいと考えている。
「博物館の近くに化石が取れる崖があり“ホンモノ”がいっぱいある。それが博物館を支える原動力だ」と話す、田辺さん。
存続の危機に立たされながらも、奮闘する1人の学芸員の思いに迫る。
※詳しくは動画をご覧ください。(2023年8月16日放送「news every.」より)