インスタントカメラ人気急増で…写真フィルム“品薄” その魅力は?
写真を撮ると、その場ですぐにプリントできるインスタントカメラ。実はいま、人気のあまり写真フィルムが品薄になっています。品薄になるほどの魅力とは何か。取材で見えてきたのは、“世界で1枚”という特別感です。
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“フィルム不足”を心配する声が上がっていたのは、東京・秋葉原にある“あの場所”。「萌え、萌え、きゅーん!」でおなじみの…メイドカフェです。「あっとほぉーむカフェ AKIBAカルチャーズZONE店」では、その場で撮影したお客さんとのツーショットなどをインスタント写真で販売しています。会話をしながらメッセージなどを書き込んでくれる“世界で一枚”の写真、お値段は一枚、750円です。
インスタント写真を購入したお客さん
「その場でお絵かきしてもらえると、特別感あるのがチェキのいいところ」
現状、フィルムの在庫は足りていますが、“推し活”には必要不可欠なもののため、お客さんは不安を抱えていました。“推しのメイド”の写真を2000枚ほどコレクションしているお客さんは…
インスタント写真を購入したお客さん
「(“推し”との)思い出が形に残った方がいいので、チェキがなくなったらさみしいなというのはあります」
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都内の雑貨店では、香港から訪れたという観光客の姿がありました。店内をウロウロし、何かを探していました。
香港からきた家族 娘(12)
「この店、フィルムある?」
インスタントカメラのフィルムを買いにきたのですが、お目当てのものは、売り切れていたのです。
銀座ロフト 文具売場マネージャー代行・金子友大さん
「海外からのお客様が増えてきてから(インスタントカメラのフィルムの)需要が伸びているなと。50個入ってきたら、50個がすぐに売れてしまう」
香港からの親子連れは、前日からフィルムを探していましたが、どの店でもフィルムが買えず、困っていました。
香港からきた家族 母親
「きのうも渋谷にフィルムを買いに行ったけど、買えなかったの」
日本を旅行中、富士山など観光名所を撮影していたら、あっという間にフィルム切れになっていました。そのため、本当は、旅行中に撮りたかった家族写真も撮れませんでした。
香港からきた家族 母親
「きのう息子の誕生日で…(インスタントカメラで)写真を撮りたかったけど、使い切ってしまったんです」
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日本人の間でも若い世代を中心に人気のインスタントカメラ。いつもカメラを持ち歩いている女性も、なかなかフィルムが手に入らないといいます。
インスタントカメラの愛好者
「(品薄で)すごい困りますし、(ネットなどで)転売、高い値段で売られているのをみて、勘弁してほしいなと思います」
家電やカメラなどをレンタルする店、「モノカリ!本店」では、インスタントカメラ本体を貸し出す際、フィルムを無料でサービスしていますが、フィルムほしさで、本体をレンタルする人が増加。
スペクトル 金子剛久代表取締役
「フィルム目的で本体をレンタルされる方もたくさんいらっしゃいます」
ただ、人気のあまりフィルムの在庫はわずかとなっていました。
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品薄になるほどの魅力は、何なのでしょうか?
インスタントカメラの利用者
「物に残るので携帯の裏とかに入れて挟んだりして」
「デジタルだと何回も撮り直せるけど、この一枚に思いを込めるというか。特別感」
ミニサイズのためスマホに挟んで持ち運んだり、大切な人との瞬間をその場で形にして、残せたりできるといいます。
昨年度、チェキの売り上げが過去最高を記録した富士フイルムでは、フィルム需要の高まりを受け、生産ラインを増やし、来年からさらに強化するということです。