子ウシの初競り 取引価格の低迷が続くも去年を約6万円上回る平均落札価格に あきた総合家畜市場
ブランド牛として育てられる子ウシの初競りが由利本荘市で行われました。
エサ代などの高騰を背景に、子ウシの取引価格は低迷が続いていますが、8日の平均落札価格は、去年を約6万円上回りました。
年間約4000頭の子ウシが取り引きされる由利本荘市のあきた総合家畜市場。
競りにかけられるのは、県内の繁殖農家が育てた生後10か月ほどの子ウシです。
8日の初競りには、250頭が上場されました。
繁殖農家
「わりと手をかけたウシなので寂しいところもあるんですが、少しでもいい値段が付くことを願っています」
繁殖農家
「期待はしています。ウシの出来自体はいいので、あとは購買者さんの競り合いで決まりますね。自信はあります」
じっくり子ウシを品定めしていたのが、県の内外からやってきた肥育農家です。
仕入れた子ウシを1年半以上育て、各地のブランド牛として出荷します。
肥育農家
「お尻と顔(を見ている)。顔が大きい方が(エサを)いっぱい食べてくれるので」
あきた総合家畜市場 齊藤武志 社長
「飼料、資材の高騰による生産コストの上昇に加え、物価高騰に伴う消費者の節約志向の強まりを受けまして、和牛肉の需要が低迷するなど、畜産経営は大変厳しい状況が続いております」
少しでも子ウシを高く売りたい繁殖農家。
できるだけ安く仕入れたい肥育農家。
購入側の意向が強く、ここ数年、子ウシの取引価格は低迷が続いています。
それでも、先月の平均落札価格は62万7000円と、前の年の同じ時期を9万円近く上回っていました。
和牛の需要回復が背景にあるとみられています。
追い風が吹く中行われた、今年の初競り。
中には100万円を超える高値の取引も。
8日の平均落札価格は53万あまりで、去年の初競りを6万円ほど上回りました。
繁殖農家
「今回は珍しく我が家でもいい値段でした」
「おかげさまで助かりました。頑張ってくれました」
しかし、生産コストの上昇のほか、高齢化や後継者の不在を背景に、廃業する繁殖農家も相次いでいます。
市場関係者は、先行きが不透明な状況に変わりはないとして、改めて危機感を示していて、あきた総合家畜市場は、上場頭数の確保と肉質の改良に向けて、関係機関との連携を強化することにしています。