県魚ハタハタに異変…ナマハゲも「だめだ!」大みそかの男鹿市と年明けの八峰町でも異例の事態
かつては年末年始の食卓に欠かせなかったハタハタ。
しかし今シーズンは、記録的な不漁となっています。
大晦日の男鹿市、そして年明けの八峰町でも、異例の事態が垣間見えました。
「泣く子はいねが~」
男鹿のナマハゲは、なまけた心を戒め、幸福をもたらすとされる、神の化身です。
地域の家々を巡るナマハゲ。
「山さ連れて行け山さ」
「よぐ来てけだっすな」
迎える家では、料理や酒を準備して、ナマハゲを丁重にもてなします。
お膳に欠かせないのが県魚ハタハタですが…
家主
「6匹入って1パックで4000円だったっすべ」
ナマハゲ
「高級魚だ高級魚、だめだ!だめだ!」
記録的な不漁で価格が高騰しているハタハタを求めて、4日の朝、八峰町の八森漁港では、4隻の船が漁に出ました。
季節ハタハタ漁は12月にピークを迎え、年末に終えるのが慣例となっていて、年明けの操業は異例のことです。
「あどおわりおわり」
しかし、この日もハタハタの姿はほとんどありませんでした。
網にかかったのは、合わせて10数匹にとどまりました。
年末に沖合でまとまった水揚げがあったことから、産卵のため接岸する群れ“本隊”の到来を願って、漁に踏み切った漁師たち。
漁師
「もしかして遅れてるからあわよくばまだいるんじゃないかなと思って」
「期待しているわけではね。やることねからさ、うん」
「最初からいないものってやっぱりいね。最初から来ないものはだめだ」
季節ハタハタの漁期は15日までですが、水揚げが見込めないことから、八森漁港では、ほとんどの漁師がこの先網を入れないことを決めました。
秋田県漁協によりますと、この冬のハタハタの県全体の漁獲量は、沖合と沿岸合わせて約14トンです。
県に記録が残る1952年以降で最少だった禁漁前の1991年が71トンで、今シーズンはこれを大きく下回り、過去最低を更新する見通しです。