まもなく温室の展示が終了となる大潟村の生態系公園 駆け込み需要でにぎわい
大潟村の生態系公園は、雪国・秋田では見られないような植物も多く展示されている人気の施設ですが、温室の展示は今月末で終了します。珍しい植物を最後に一目見ようと連日多くの人が訪れています。
大潟村の中心部にある生態系公園。
8.6ヘクタールの広大な敷地に約650種類の植物が植えられています。
太田英梨花アナ
「外の空気はひんやりしていますが、温室内は暖かいです。今園内では1番人気だというヒスイカズラが展示されています。鮮やかな緑が目を引きます。」
ヒスイカズラはフィリピンが原産のツル性植物です。
宝石のヒスイのようなエメラルドグリーンの花を咲かせることからその名前がつけられています。
温室の中には他にも、熱帯地域で育つパパイヤや、ハイビスカス、サボテンなど、県内では珍しい植物が展示されています。
生態系公園は32年前の1992年4月に開園。
開園当時は子どもたちに未来の農業を学んでもらおうと、温室の一部が植物工場になっていました。苗を植えるロボットなども見られ、大人から子どもまで多くの人が足を運びました。
年間およそ8万人が訪れていて、当時皇太子だった天皇陛下も視察されたことがあります。
イベント会場としても使われるなど長年にわたって親しまれてきた生態系公園ですが、県は有効活用を進めるため、来年4月に大潟村に無償で譲渡することを決めています。
屋外の植物の展示は維持されますが、人気の高かった温室は燃料費の高騰などで維持が難しくなっているため、今月末で展示を終えます。
熱帯の珍しい植物を見納めようと、ここ数日は多くの人が訪れています。
生態系公園 伊藤貴冊さん
「来てくれたお客さんが『きれいに管理してますね』って褒めてくれることが1番ありがたかったですね。32年の長きにわたりご愛顧いただき本当にありがとうございます、その一言ですね。」
見ごろを迎えているヒスイカズラの花言葉は「私を忘れないで」。
園内を彩ってきた植物は、訪れた人たちの記憶に刻まれています。
温室の展示は5月31日までで、6月2日(日)には閉館セレモニーが行われます。
温室の植物は、今後潟上市のブルーメッセあきたや、農業科のある高校などに移されることになっています。