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開発進む“こども向け生成AI” 上手に付き合っていくためにできることとは?

2023年9月19日 15:46
開発進む“こども向け生成AI” 上手に付き合っていくためにできることとは?
活用の幅が広がり、身近になりつつある生成AI。こどもたちの利用には、さまざまな懸念があるなか、いま、学びを助けるこども向けの生成AIが、続々と開発されています。成長した子どもたちが、生成AIと上手に付きあっていくために、今できることとは。模索する教育現場と、子ども向け生成AIの最新事情を取材しました。

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忽滑谷こころアナウンサーが訪れたのは、大手製薬会社。こちらで開発されていたのは、子どもたちが、料理の作り方や栄養バランスの大切さを学べる食育アプリです。アプリの特徴は、料理の絵を描くと、最新の画像生成AIが、実物に近い画像に変換してくれること。実際に、忽滑谷アナが好きな料理の絵を描いてみました。

忽滑谷こころアナウンサー
「即興で描きました!ギョーザでーす!」

この絵をアプリで撮影し読み込ませたあとに、スワイプしていくと…。

忽滑谷こころアナウンサー
「おいしそうなギョーザに無事変身しました!こんがり焼き目のついた美味しそうなギョーザです」

手描きの絵が、まるで実物の料理のような画像に変わりました。料理の実物が、イメージしやすくなることで、料理や食に興味を持つきっかけになるといいます。

忽滑谷こころアナウンサー
「自分が描いたシンプルなイラストが、本格的なギョーザに変身するのは魔法みたいでワクワクしますね」

様々な生成AIが登場するなか、文部科学省は今年7月、学校現場向けにガイドラインを公表しました。子どもたちの想像力への影響など、様々な懸念もあるとして、慎重な対応が必要と指摘しています。文部科学省の公表を受けて、東京学芸大学付属小金井小学校では、子どもたちが生成AIと上手につきあっていくためにどうするべきか、話し合いをしていました。

教員(ICT担当)
「AIが出してくるものは、本当かどうかわからないという経験をさせることが大事な場面もある」

教員(理科担当)
「生成AIはこう言っているよ、これでもういい?と投げかけると、もっと詳しく知りたいとか調べたいという子がきっと出てくる」

大切なのは、こどもたちの将来に備えて、どう使っていくかを一緒に考えていくことだといいます。こちらの小学校では、生成AIを授業に取り入れて、そもそもどのようなものなのか、伝えていこうとしています。

一方、学習教材の製作などをする企業では、夏休みの自由研究について、アドバイスをする小学生向けの生成AI「自由研究お助けAI」を開発。質問できる回数を制限するなど、子どもが考える機会を奪わないよう配慮した設計にしたといいます。

この企業に、教材を使用している児童を紹介してもらい、取材しました。

小学校5年生の高千穂光くん。自由研究のテーマは“自分のルーツの調査”です。ルーツの調べ方を質問しようと、打ち込んだのは“自分のルーツ”。しかし、質問文になっていなかったことや変換が出来ていなかったため、うまく伝わりませんでした。

質問ができるのは、1日に10回と限られているため、どうしたら欲しいアドバイスがもらえるのか、質問文もよく考えなければいけません。今度は、自分のルーツについて調べたいと入力。すると…。

高千穂光くん(小5)
「やっとできた!」

無事、アドバイスをもらうことができました。

高千穂光くん(小5)
「質問を考えるときにお母さんがそばにいなかったら、自分でどうやって考えればいいか悩む」

子どもたちと、生成AIの関係をどうするか?模索は続いています。