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【博多祇園山笠】生後11か月で初参加 仕事もプライベートも山笠に捧げる27歳「博多一の山笠(やま)のぼせ」

2024年7月15日 17:58
【博多祇園山笠】生後11か月で初参加 仕事もプライベートも山笠に捧げる27歳「博多一の山笠(やま)のぼせ」
仕事もプライベートも山笠に捧げる27歳

追い山笠(おいやま)を特別な思いで舁(か)いた男性がいます。山笠にすべてを捧げてきた、自称"博多一の山笠(やま)のぼせ"に密着しました。

■秀島将太郎さん(27)
「ブロッコリーOKです。鶏肉の皮ははぎます。脂質が多いので。(Q.皮の脂質まで摂取したらダメ?)ダメっすよ、皮は。"ちり積も"なので外します。」

千代流の若手のリーダー格、秀島将太郎さん、27歳。家族が寝静まるなか、1人キッチンに立っていました。

■秀島さん
「(Q.なぜこんなに朝早い?)トレーニングのために時間を確保している。(Q.これが一日の食事?)きょう食べる分です。(Q.おいしくない?)味ないです。(Q.この生活はつらくない?)つらいことしないと、勝利の喜びは勝ち取れない。」

秀島さんは生後11か月で初めて山笠に参加し、それ以来、山笠の魅力に取りつかれた自称"博多一の山笠のぼせ"です。

■千代流(ちよながれ) 前さばき隊長・坂本一規さん(43)
「知り合いが高校で一緒のクラスだったみたいで、学校でのあだ名が"山笠くん"。山笠が終われば黒板に『山笠まであと365日』。それを毎日消していって減らしていく。」
■秀島さん
「やっぱカウントダウン必要でしょ!」

子どもの頃に見た男たちのように、勇ましく山笠を舁きたい。

秀島さんは、ふだんはキャナルシティ博多の広報として、キャナルシティに奉納されている飾り山笠(かざりやま)の制作にも携わっています。

仕事もプライベートも、山笠にすべてを捧げてきた秀島さんですが、2023年は苦い思いを味わいました。

■秀島さん
「13日の夜に熱が上がって。15日は出場辞退というか、自粛ですね。」

追い山笠の直前に新型コロナに感染し、祭りの本番で山を舁くことができませんでした。

■秀島さん
「モヤモヤしているというか、不完全燃焼で終わった。2年前の15日の追い山笠で止まっている。」

山笠を誰よりも力強く舁くために鍛えあげた、ハガネの体。ボディビルの大会で優勝した経験もあります。

■秀島さん
「体が強くなれば、舁き手としてもみんなの模範になる。強い千代流(ちよながれ)ができる。伝統ができる。」

櫛田入りのメンバーに選ばれるために、秀島さんはこの1年、誰よりも努力を重ねてきました。

7月3日、秀島さんは母校の千代小学校で子どもたちに山の舁き方を指導しました。

未来の舁き手たちに山笠文化と魂を伝える。流(ながれ)への貢献を積み重ねることで、栄誉ある「櫛田入り」の一員になる道が開けます。

■秀島さん
「(Q.ここで何をしている?)夜警といって夜間の山笠の警備。」

夜の警備は明け方まで続きます。祭りは終盤にさしかかり、疲労もピークを迎えています。

■秀島さん
「きついのって、みんなしたくないじゃないですか。みんながしたいことばかりしていたら、山笠は動かないし成功もしない。」
「爆発させたい、とどろきたい。」
「きょうは追い山笠馴らしが終わって、櫛田入りが2位、全コースは1位でしたけど。15日はもっと速いタイムを出して、全コースも取って、笑顔で最後、廻り止め。隊長に最高の景色を見せる。それが僕の目標。」

そして本番の15日を迎えました。

舁き手の隊長が、200人を超える舁き手の中から流への貢献を評価し、櫛田入りを任せる26人を決めます。

2年ぶりに立つ櫛田入りの大舞台。秀島さんの中で止まっていた山笠の時計が動き出します。

秀島さんは櫛田入りの大役を無事果たしました。コース中盤では、秀島さんにとって人生初となる、追い山笠での台上がり。舁き手なら誰もが憧れる、栄誉ある瞬間です。

千代流のタイムは全体で3番目でした。

■秀島さん
「もう出し切りましたよ。まずことしの結果を踏まえてどう改善するとか、技術とか体力とか精神面もあるので、そこを1回作り直して来年絶対勝ちます。(Q.山笠は好き?)大好きですね。一生出続ける。」

山笠にすべてを捧げた15日間がことしも幕を閉じました。さらなる高みを目指し続ける“博多一の山笠のぼせ”の新たな1年が、また始まります。

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