イチゴの収穫量減&ケーキ原材料も価格高騰…クリスマスシーズン前に農家や洋菓子店は
全国的、世界的な異常気象で影響を受けているというケーキ。ケーキの主役の収穫量の減少に、度重なる原材料費の高騰…現状は甘くはないようです。
愛媛県今治市大三島の井上苺園です。ハウスの中で真っ赤に色づいたイチゴ♪今月6日から大三島や松山市のスイーツ店に出荷しています。
しかし…
井上洋平さん:
「本来だったら次の花が出ていないといけないんですけど出てないです。クリスマスには間に合うかなという状態です」
例年、この時期には咲いているはずの2番果の花が、夏の残暑の影響で咲き始めが遅れているといいます。
クリスマスシーズンに向けて増えていくイチゴの収穫量も、例年の3分の1まで減る見込みとのこと。収穫量の減少に追い打ちをかけているのが…
井上洋平さん:
「イチゴ栽培で使うほとんどの資材の(価格)が上がっているんですけど」
栽培用の肥料やハウスを温める重油の価格が毎年のように高騰。出荷作業で使うフィルムは、去年に比べ8割ほど高くなっているといいます。
1シーズン分の肥料をまとめ買いするなどして、これまで何とかイチゴ自体の価格は維持しようと工夫していましたが…
井上洋平さん:
「このままだとやっぱりイチゴの値段を上げざるを得ないかなと思っています」
出荷先のスイーツ店と価格の交渉をしていて、今年はイチゴの値段を10%値上げする予定だということです。
井上洋平さん:
「クリスマス(ケーキ)の主役は、やっぱりイチゴであってほしいので、頑張って値段を抑えた形で出荷できたらなと思っています」
松山市内の洋菓子店。ショーケースには季節の果物を使ったケーキが並びます。
オルシヴァル 小倉由莉子さん:
「去年と比較しますとチーズケーキは1割ほどお値段が値上がりしています。全体的に値上がりしている」
ドーム型で、ふわふわの食感が特徴のスフレチーズケーキ「ズコット」が名物のこちらの洋菓子店。
小倉さん:
「生クリーム、卵、乳製品全般と チョコレートとチーズが主に値上がりしている」
ケーキ作りに欠かせない卵や生クリームなどの原材料が去年と比べ、1割ほど値上がりしていると言います。
特に値上がりしているというのがチョコレート。主な原産国となっている西アフリカの天候不良などで、カカオ豆が記録的な不作となっていてチョコレートの値段が上昇。
こちらの店ではベルギー産のチョコを使っていて、去年と比べ2割から3割高くなっているということですが、別の産地には変えられないと話します。
泉市麻奈さん:
「いいものを出したいので(今までの味)でお客さんも慣れているので味を落としてしまうとなかなか。スイーツは自分のご褒美みたいなところがあって、頑張ったご褒美に食べてほしい」
原材料費の高騰はクリスマスケーキにも。
小倉さん:
「こちらのケーキと同様に1割ほどお値段の方が上がってきています」
お店では、値上がり率の高い生クリームやチョコの使用が少ないバスクチーズケーキなどの商品を充実させるなどし、お客さんにとってはたくさんの種類の中から選べる楽しさを。お店にとっては、値上げの負担を軽減を。工夫を凝らしながら対応していました。
小倉さん:
「原料もこだわって味は変わらずデザインなどを新しくして、ちょっとでもケーキに関心をいただけたら」