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基地問題で日米交渉が事実上スタート

2010年3月4日 20:41
基地問題で日米交渉が事実上スタート

 アメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題で、平野官房長官と北沢防衛相が2日夜、アメリカ・ルース駐日大使と極秘に会談したことが明らかになった。日米交渉が事実上スタートした形で、交渉難航が予想される中、5月末の期限を控え、政府は移設案を決められない社民党を待ちきれなくなったといえる。政治部・山見穣太郎記者が報告する。

 与党がそれぞれ移設案を持ち寄ることになっていた沖縄基地問題検討委員会は、グアムなど国外移設にこだわる社民党内が混乱して案が出せず、進んでいない。

 こうした中、政府は、キャンプ・シュワブ(沖縄・名護市)陸上部に滑走路を造る案を軸に独自に検討を進めているが、この案はアメリカ政府がかつて拒否しただけに、調整の難航は必至。そのため、政府は見切り発車したというわけだ。今後、政府はルース大使がアメリカ本国に報告を終えるのを待って、正式に移設案の協議に入る考え。

 これに対し、社民党は「会談は聞いていない」「沖縄県内への移設は絶対に同意できない」と強く反発している。しかし、社民党は4日も、極めて困難なグアム移設に案を絞るかどうかで議論が紛糾している。

 普天間基地移設問題はいよいよ時間との闘いになってきた。