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菅首相、諫早湾干拓訴訟の上告断念を表明

2010年12月15日 12:48
菅首相、諫早湾干拓訴訟の上告断念を表明

 菅首相は15日午前、緊急に記者会見し、長崎県の諫早湾干拓事業による堤防の5年間の開門を命じた福岡高裁の判決について、上告を断念する方針を表明した。

 菅首相は15日午前10時50分ごろ、「私自身も97年の『ギロチン』と言われた工事の時以来、現地に何度も足を運んで、私なりの知見を持っていた。それらを総合的に判断して、今回の高裁判決に対しては、上告をしないという最終判断をした」と述べた。

 この裁判は、長崎や佐賀など沿岸4つの県の漁業者らが、諫早湾の干拓事業で堤防が閉め切っていることで有明海の漁業環境が悪化したとして、国を相手取って開門や堤防の撤去などを求めていたもの。福岡高裁は6日の控訴審判決で、国側の控訴を棄却する判決を下していた。

 この問題をめぐっては、佐賀県などの漁業者が開門を求める一方で、長崎県側は「開門すれば海水の影響で農業に影響が出る」として地元も二分していたが、菅首相は15日朝、首相官邸で鹿野農水相や仙谷官房長官と会談し、最終的に上告を断念する方針を決めた。