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最東端・南鳥島に駐留、島を守る海自の活動

2012年11月22日 10:26
最東端・南鳥島に駐留、島を守る海自の活動

 領土をめぐる問題が焦点となる中、日本の最も東にある島、東京・小笠原諸島の南鳥島に駐留して島を守る海上自衛隊の活動を、政治部・中丸由子記者が取材した。

 南鳥島は、東京の南東1860キロの、日本で最も東にある島。正三角形に近い形で、一辺は2キロしかなく、民間の交通手段もない、太平洋に浮かぶ絶海の孤島。この小さな島が、日本の領土として排他的経済水域(=EEZ)を維持する重要な役割を果たしている。

 一般の島民はいないが、この最果ての領土を守るため、海上自衛隊南鳥島航空派遣隊が68年から駐留している。現在、南鳥島には自衛隊の他、気象観測のため気象庁の職員ら約25人が常駐している。

 島内には旧日本軍の戦車などがそのまま残され、静かな光景が広がる。一方で、最近、海底からレアアースが見つかり、海洋資源開発を目指して新たな港湾施設の準備も進められていた。

 沖縄・尖閣諸島や島根・竹島といった日本の領土をめぐって緊張が高まる中、南鳥島では、自衛隊が長年駐留していることもあってか、大きなトラブルもなく、安定的な管理が続けられている。

 南鳥島航空派遣隊・寺島隊長は「日本の国旗を揚げてここに人が住んでいるということで、日本の領土、主権が及んでいるという自覚で勤務している」と語った。

 絶海の孤島の「防人(さきもり)」にとって、日本の国旗を掲げ、ここが日本の領土なのだと示すことが重要な任務となっている。